基礎知識 1
アジア圏内の遅延はおよそ100ミリ秒

 海外拠点から国際ネットワークを経由して日本のサーバーにアクセスする場合,レスポンスが遅いと感じることが多い。通信距離が長くなると,大きな伝送遅延が発生するためだ。例として,東京のデータ・センターに海外の拠点からアクセスする場合の遅延の目安を見ていこう(図1)。参考までに書くと,一般的な社内LANであれば,遅延は1ミリ秒以下である。

図1●東京と世界の各都市の間での遅延時間の目安
アジアでも一部都市では東京との通信で100ミリ秒以上の遅延が発生する。図はNTTコミュニケーションズの資料を基に編集部が作成した。
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 ネットワークの伝送遅延は距離に依存するとはいえ,必ずしも地域間の距離に比例するわけではない。地図上ではわずかな距離しかない地域でも,回線が経由しているルートなどの影響によって遅延時間に大きな違いが生じるケースがある。

 例えば韓国や台湾などアジアの中でも東京に近い地域との間では,ラウンドトリップの遅延は50ミリ秒程度。その先のシンガポールなど東南アジアになると,遅延時間は100ミリ秒程度にまで伸びる。ところが,地図上での距離がもっと長い日米間でも西海岸までなら遅延は100ミリ秒程度。米国東海岸までなら約200ミリ秒となる。

 欧州向けの通信では,かつての北米あるいはアフリカ方面経由のルートでは300ミリ秒以上の遅延が生じていたが「2007年末にロシア経由ルートが開通し200ミリ秒程度に縮まった」(NTTコム)という。

 国際回線で最も遅延時間が長いのは,衛星通信を使う専用線である。対地国による違いはあまりなく,衛星までのアップリンクだけで遅延は200ミリ~300ミリ秒,あて先へのダウンリンクを含めると500ミリ秒以上になる。

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