NTTドコモは2009年11月,家庭内に設置するフェムトセル(小型基地局)を使った接続サービス「マイエリア」を開始した。家庭内など局所的な不感区域を埋め,さらなる顧客満足度の向上を狙う。一方,ソフトバンクモバイルは端末の無線LAN対応を推進し,帯域不足を補う方針を示した。

「マイエリア」を説明するNTTドコモの山田社長。手に持っているのがフェムトセル
「マイエリア」を説明するNTTドコモの山田社長。手に持っているのがフェムトセル

 「マイエリア」は,家庭内に設置したフェムトセルからブロードバンド回線を介してドコモ網に接続するサービスである(図1)。フェムトセルを使った個人向け商用サービスは日本初。2012年度までに100万台の販売を目指す。

 ドコモは家庭内のデータ通信環境を改善するサービスとして,既に無線LANを利用する「ホームU」を提供している。この点について山田隆持社長は,「無線LANと第3世代携帯電話(3G)を比べて3Gを取った。ホームUは補完的な位置付け」と説明する。家庭内からの高速なデータ通信よりも,既存の端末を使ってどこからでも接続できる3Gの優位性を選んだわけだ。

図1●ブロードバンド網を経由してドコモ網に接続
パソコンからインターネットを利用している状態でも,フェムトセルの通信経路を確保するため,ブロードバンド網にはマルチセッション機能が必要。フェムトセルの利用場所を特定するため,回線固有IDの通知機能も条件の一つになっている。現状ではこれらの機能を備えるのはNTT東西のフレッツ網に限られる。
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FOMAとのハンドオーバーは未対応

 サービス開始に当たってドコモは,フェムトセル対応の携帯電話13機種を発表した。これらの端末は,フェムトセルのカバーエリアに入ると,自動的に接続先の基地局をフェムトセルに切り替えるよう設定できる。旧機種(901i以降)でも,エリア内で「*+特定の5けたの数字」を発信すればフェムトセルに接続できる。

 ただし,端末の対応の有無にかかわらず,一般のFOMA基地局とフェムトセルの間,あるいはフェムトセル間のハンドオーバーはできない。フェムトセルのカバーエリアから出るなど,基地局の切り替え時には通信を切断される。また,家族での利用を想定し,フェムトセルに接続できるユーザーは最大10人,同時接続は最大4人までとなっている。

写真1●家族の在宅状況を確認できる「イマスカ」機能
写真1●家族の在宅状況を確認できる「イマスカ」機能
家族の携帯電話が自宅のフェムトセルのエリア内に存在しているかを,外出先から専用サイト上で確認できる。

 フェムトセルを利用した場合の通信速度は,受信最大7.2Mビット/秒(表1)。旧機種の場合は端末仕様の上限値になる。将来は「フェムトセルで使える携帯電話の通信方式を強化していく。LTE(long term evolution)での提供も視野に入れている」(山田社長)。

 このほか,通信機能以外の付加的なサービスとして,家族の携帯電話がフェムトセルのエリア内に入っているかを専用画面上で確認できる「イマスカ」機能も提供する(写真1)。将来は家電との連携機能を加えるなどサービスを拡充していくという。


表1●フェムトセルと各社の無線LANサービスを比較
ユーザー宅のデータ通信手段としては,各社が無線LANサービスを提供している。
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