今回は、モチベーションの源泉となる要因を、ある切り口に基づいて説明しましょう。

 モチベーションを左右する要因については様々な考え方がありますが、ここではアメリカの臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが提唱した「二要因理論(動機付け・衛生理論)」を紹介します。モチベーション理論としては、マズローの欲求5段階説などと並んで著名な理論で、その後のモチベーション理論の研究にも大きな影響を与えています。

満足を招く「動機付け要因」と不満足を招く「衛生要因」

 図1はハーズバーグらが米国ピッツバーグ市で200人のエンジニアと経理担当事務員にインタビュー調査した結果です。仕事で「極端な満足を招いた出来事」と「極端な不満足を招いた出来事」を聞き、それぞれを「達成」「承認」などの要因に分類したうえで、各要因が満足あるいは不満足のどちらを招いたのかを調べています。

図1●満足と不満足の要因差
出所:1968年Harvard Business Review 論文「How Do You Motivate Your Employees?」Frederick Herzberg
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 図1を見ると、「達成」「承認」「仕事そのもの」「責任」「昇進」などが満足を招き、「会社の方針と管理」「監督」「監督者との関係」「労働条件」「給与」「同僚との関係」などが不満足を招いていることが分かります。

 ハーズバーグは、満足を招いた要因を「動機付け要因」、不満足を招いた要因を「衛生要因」と名付け、

(1)動機付け要因は、その要因を刺激することで満足を高め、モチベーションを向上できる
(2)衛生要因は対策を講じても、不満は解消されるがある一定以上は満足感やモチベーションを高めない場合が多い

としました(図2)。

図2●動機付け要因と衛生要因
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