不況でも7割が現状維持

 一時金の支給額が減っても、社員の資格取得を支援する予算の総額は減っていない。

 「社員の資格取得を支援するための予算額の増減」について聞いた結果、「前年と変わらない」と回答した企業は、全体の69.3%に達する。前年より多くの予算を割り当てた企業も15.9%で、前年より削減した企業の13.9%を若干だが上回った。

 一時金の代わりに、受験費用や講習代などの実費を支給するソリューションプロバイダも多い。

 「取得や維持に必要な費用を補助しているかどうか」について調査したところ、4割以上の企業が「実費を負担している」とした資格は、公的/非ベンダー系資格で12種類(表5)。ベンダー系も10種類あった(表6)。

表5●受験費用・講習代などの経費を補助している上位20資格(公的/非ベンダー系)
[画像のクリックで拡大表示]
表6●受験費用・講習代などの経費を補助している上位20資格(ベンダー系)
[画像のクリックで拡大表示]

情報処理技術者試験の人気が回復

 ソリューションプロバイダの社員が取得したい資格として、情報処理技術者試験の人気が回復している。アンケート調査では「情報処理技術者試験を受験し、届け出た社員数の増減」についても質問した。今回は48.5%の企業が、「増加した」と回答している。(図A)。30%に落ち込んだ前回調査から18.5ポイントも増えた。

図A●情報処理技術者試験を受験し、届け出た社員数の増減
[画像のクリックで拡大表示]

 情報処理技術者試験の総受験者数も伸びている。試験の開催時期は春期と秋期の年2回。IPA(情報処理推進機構)の情報処理技術者試験センターによれば、春期と秋期を合わせた年間の応募者数は、前年比13.7%増の61万3848人に達する。

 受験者数が増加した理由は、ITスキルの習熟度が試験の合否によって判定できるよう、試験区分や内容が大きく変わったことだ。2009年春期の試験から全面的に移行している。

 社員のスキル判定のツールに使いやすくなったといった理由から、ソリューションプロバイダは新試験をおおむね好意的に受け止めているようだ。

 アンケートの自由記入欄には、「社員の持つITスキルのレベルを、顧客に対して明確に示せるので、今後は営業上の効果も期待できる」「ベンダー系など情報処理技術者資格以外も、新情報処理技術者試験のスキルレベルとの対応付けを進めてもらいたい」などの回答があった。

出典:日経ソリューションビジネス 2009年10月30日号 p.24,pp.26-27
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。