シックスシグマにおけるプロジェクト活動の成果は、実際のライン業務に確実に定着できてはじめて評価される。どれだけ素晴らしい改善策を練り上げても、現場に受け入れられなければ意味がない。改善策を現場に定着させるためにはトライアルによる検証が必要になる。

●前回までのあらすじと今回の登場人物●
大手メーカーFN社は、今年度から全社でシックスシグマに取り組んでいる。情報化推進部で推進リーダーとしてブラックベルト(BB)に指名された小谷さんは、自らのプロジェクト課題に取り組みながら、積極的に部内への活動展開も進めている。
情報化推進部:村上部長(チャンピオン)、小谷サブマネジャー(ブラックベルト)、門馬部員
シックスシグマ革新部:浅田トレーナー(マスターブラックベルト)
営業管理部:原田部員
お客様サポートセンター:巽(たつみ)サブマネジャー(ブラックベルト)

 やっとの思いでプロジェクトレビューをやり遂げた小谷さん。チームメンバーが集まる定例の討議ミーティングでは、レビュー時に指摘されたポイントの確認と、次の『I(改善)フェーズ』の進め方について相談していた。

小谷 次の『Iフェーズ』では、納期のばらつき要因に対する適切な対応策を考え、実際に納期短縮効果があるかどうかを確かめる必要があります。それには対象範囲を決め、新しい業務プロセスを期間限定でトライアルしてみたいと思います

原田 大きな問題要因はほぼ分かっているんですから、成果を出すための改善策を早く取り入れましょうよ

小谷 そうあわてないで。その前に、トライアルの実行計画を立てなくてはなりません。門馬さん、あなたの仕事に一番影響が出ますね

門馬 そうなんですよ。ただでさえ忙しいのに、今までの慣れたやり方を変えるなんて面倒だなぁ

小谷 そう言うけれど、実際どちらが楽かよく考えてみたほうがいいわよ。試しにやってみたら、きっとご利益があるって

門馬 小谷さんはプレゼンが苦手でも、人を“ファシリテーションする”のはうまいですね。じゃあ、ここは乗せられてみようかな

 この二人のやり取りをじっと聞いていた原田さんは、ふと思いついたように小谷さんに言った。

原田 小谷さん、ミーティングの後、ちょっと相談に乗ってもらえませんか?

小谷 それは構いませんけど・・・

 ミーティング後、原田さんは神妙な顔で小谷さんに話しかけた。

原田 現在、私は他の営業部門関連のシックスシグマプロジェクトにもチームメンバーとして参加してるんですが、その活動が今一つ思わしくないんです。実はリーダーであるブラックベルト(BB)の巽(たつみ)さんは、先日のプロジェクトレビューを辞退し、来月以降に延期してもらったんですよ

小谷 ええっ、そんなことができるんですか? レビューは必須事項だと思ってましたけど

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