先日開催された米Appleの発表会では,事前に一部で注目されていたApple製タブレット機の発表は残念ながらなかった(関連記事:期待はずれに終わったAppleの新製品発表会 )。そうしている間に,今度は米Microsoftが新型スマートフォンを開発しているという話が,数日間にわたってIT業界で大きな話題を呼んだ。だが筆者にとっては,この話がなぜそれほどの注目を集めているのか,まったく不思議だ。

Take1:Microsoftの新型スマートフォンのデザインが流出

 先日,米Microsoftの新型スマートフォン2機種のプロトタイプ・デザインが流出し,ガジェット情報ブログ「Gizmodo」に掲載された。流出した2機種のプロトタイプのデザインは,既に世に出ている他機種を大きく模したものである。コードネームで「Turtle」という機種は,米Palmのスマートフォン「Palm Pre」にそっくりだ。もう1つの「Pure(コードネーム)」という機種は,スライド式キーボードを搭載した横長の典型的なスタイルで,台湾のHigh Tech Computer(HTC)製端末を筆頭に,よく似た機種は10種類以上はありそうだ。

 筆者が推測するに,これらのデザインは,Microsoftが買収した米Danger出身のスタッフが作成した,ただのコンセプト画像ではないかと思う(関連記事:Microsoft,Danger買収完了で消費者向けモバイル事業を強化)。本物の端末がすぐに登場する心配はなさそうだし,そもそも本当に登場するかどうかも不明だ。だが世間では,さまざまな憶測が飛び交っている。なぜみんな,実体も新鮮味もないものに関してあれこれ騒ぎ立てる暇があるのか,つくづく不思議だ。筆者はもう次の話題に移ろうと思う。

Take2:MicrosoftとGoogleがまたも激突,舞台はなぜかIE6

 2001年の登場から長い年月がたち,安全性にも不安があるMicrosoftのWebブラウザ「Internet Explorer(IE) 6」は,なぜか依然としてかなりのシェアを維持している。そんなIE6をめぐって,ちょっと意外な進展があった。米Googleが先日,IE6で利用できる興味深いアドオン「Google Chrome Frame」をリリースした。これは,IEの古びたレンダリング・エンジンを,同社のWebブラウザ「Google Chrome」の最新のレンダリング・エンジンに置き換えるというものだ(関連記事:Google,IEをChrome化するプラグイン「Google Chrome Frame」をリリース)。

 Chromeのレンダリング・エンジンを使うことで,IE6の動作速度が向上し,最新の各種Web技術にも対応できるという。だが,Microsoftとしては当然この話は面白くないようだ(関連記事:MS vs グーグル:IEプラグイン「Google Chrome Frame」をめぐり舌戦)。

 MicrosoftのIE担当ゼネラル・マネージャーのAmy Barzdukas氏は,「ブラウザの中で別のブラウザが動くと,攻撃の対象が倍増することになり,プラスには働かないと思う」と指摘。「Chrome Frameというリスクを負うことは,我々の友人や家族にはお勧めできない」とした。その言葉はまさに,筆者がIE6自体に関して常々述べていることだ。だがChrome Frameは,後継バージョンのIE7とIE8でも動作する。本当の問題はそこではないかと筆者は推測している。

 Microsoftにとって朗報なのは,Google Chromeのユーザー数があまり伸びていないことだ。世界シェアはいまだに2%足らずにとどまる。したがって,Chrome Frameがどの程度の成果を上げるかは不透明だ。

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