NTTドコモなど携帯電話事業者5社(沖縄セルラー電話を含む)は,SMS(short message service)の事業者間接続に合意した。従来は各事業者の中で閉じたサービスになっていたが,新サービス導入後は異なる事業者のユーザーにも送れるようになる。2010年度後半の実現を目指す。

 SMSの接続に向けた各事業者の協議は2008年10月に始まったが,開始時期をまとめるだけで1年近くかかった。送信料金や文字数が異なる各社サービスの差をどう吸収するかという接続方法の詳細は決まっておらず,これから議論するという。

 方針の取りまとめに難航している背景には,導入メリットが少なく,積極的に推進したくないという事業者の考えが見え隠れする。

 SMSの接続が実現すれば,事業者を乗り替えると通信できなくなるというユーザーの懸念が減り,MNP(携帯電話番号ポータビリティ)のハードルがまた低くなる。ソフトバンクモバイルのようにMNPでユーザーを増やしたい事業者にとってはチャンスだが,シェアの高い事業者から見ればユーザー減のリスクに映りかねない。

 サービス実現コストに懸念を示す事業者もある。特に,CDMA2000方式を採用しているKDDI/沖縄セルラー電話は,他社のW-CDMA方式に合わせるための改修コストが割高になる可能性がある。総務省の接続政策委員会でKDDIは「一部の事業者に負担が偏ることによってユーザーの公平性が損なわれることのないような考慮が必要」と意見を述べている。

 今後はSMS接続に加えて,メール・アドレスのポータビリティも議論を進めるという。いずれも課題は山積で,利害を追及する各社のやり取りは激しいものとなりそうだ。

出典:日経コミュニケーション 2009年9月15日号 p.80
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