コラボできるかどうかはビジネスセンスの一つ

 筆者はオープンコラボレーションできるかどうかは、立派なビジネスセンスの一つだと強く感じています。成功している企業のキーパーソンは、総じてコラボレーションで相互補完し、厳しい中でも新たなキャッシュフローを生み出す仕組み作りに積極的です。

 モバイルワークと直接的には関係がないように見えるこのコラボレーションのトレンドは、個人が相互に刺激されるワークスタイルで人脈と知的生産性が劇的に向上した結果だとも言えるでしょう。このようにモバイルワークが進めば進むほど、コラボレーションする「場」、すなわち「コラボレーティブワークプレース」が必要になってくるのです(図3)。

図3●コラボレーティブワークプレースの必要性が高まっている
[画像のクリックで拡大表示]

 例えば東京・神田にある「ちよだプラットフォームスクエア」を訪ねてみると、モバイルワークを前提としたビジネス環境に加え、男女を問わずビジネスパーソンで賑わっていることに、ちょっとしたうれしさを感じます。コラボレーティブワークプレイスの運営がうまくいっている証拠でしょう。

 コラボレーティブワークプレースの魅力としては、ビジネススピードや人的リレーション構築が速いこと、オンライン/オフラインを問わずに集まれ、時間的、物理的、金銭的、業種的な制約が少ないこと、ネットワーク(特にワイヤレス)に容易につながること、などが挙げられます。

モバイルがコラボを加速する

 このワークプレースがネット上にも用意されていて、ユーザー数が急増する状況に柔軟に対応できたり、コンピューティングパワーを暫定的に増やしたり、試験的に一定期間だけサーバーアプリケーションを運用したりするニーズに応えられれば、ビジネスはより加速するでしょう。

 モバイルクラウドが目指す姿は、そうしたモバイルワークを前提に、コラボレーションする時代に適したITリソースのあり方であるとも解釈できるのです。

 モバイルワークスタイルへの対応に向けて、自社業務や基幹システムのモバイルユーザビリティの確保は、すべての企業にとって、もはや必須要件になりつつあります。一方で、モバイルユーザビリティ改善に取り組む企業は、まだまだ少ないのが実情です。モバイルアクセス環境を業務面で構築していたとしても、デスクワーク時代の考え方に基づいた事例がほとんどです。業務の進め方が変わっていなかったり基幹システム優先だったりなど、情報システム部門の考え方で構築されているからです。

 モバイルユーザーにとって、使い勝手の向上はまさにこれからの話です。企業の経営者や情報システム部門にとっては、まだまだ改善できる事が山積みというわけです。この逆境の時代に競争力を増すためには、営業やフィールドエンジニア/サービスなど、売り上げと顧客サービスにコミットする業務でありながら労働集約型のフロント系業務に、モバイルワークとの親和性が高いアプリケーションを実装しなければなりません。そのためには、投資負荷の少ないクラウド環境やSaaSモデルをいち早く用いるべきでしょう。

 例えば、FLASHでケータイ向けアプリを提供するMovAd Japanが掲げる次世代コンセプト「MovAdモバイルエンタープライズ」などは、まさにその典型です。FLASHのASPサービスは元々、コンシューマ向けケータイサイト用途で使われました。それが今や、その高いユーザビリティをベースに、セッション管理やDB連携技術を取り込みながら、基幹系業務アプリケーションに発展していこうとしているのです。

 同様の業務用途を意識したモバイルFLASHアプリケーションの開発にトライしている企業は多く存在します。ですが、筆者が情報収集し、実際に討議している企業が開発しているアプリケーションを見ると、モバイルデバイス上のUI(ユーザーインタフェース)で稼働するなど、SaaSモデルでの販売を視野に入れているものもあります。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)は12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら