問い合わせ件数などをリアルタイムに把握

写真2●こどもレスキューネット事業部の大西芙美コーディネーター
写真2●こどもレスキューネット事業部の大西芙美コーディネーター
写真3●ダッシュボード機能を使って問い合わせ件数を把握する
写真3●ダッシュボード機能を使って問い合わせ件数を把握する

 そのフローレンスが会員管理などに利用しているのが、セールスフォースのSaaSだ。システム開発担当でもある、大西芙美コーディネーターは、「会員情報の管理や入会手続きなどの効率化には、情報システムの整備が不可欠」と話す(写真2)。

 使用し始めたのは、フローレンスを設立した2005年のこと。システム管理者が不要なことに加え、セールスフォースがNPO法人などの非営利団体に対しては、ユーザー数は限定ながら無償のメニューを提供していることが、選択の理由だ。

 構築したアプリケーションは、登録会員やレスキュー隊員の情報を管理するためのシステムである。朝の慌ただしい時間帯に、東京23区内にいる会員のところへ適切なレスキュー隊員を的確に送り込むには不可欠だ。このほか、請求業務などにも利用する。

 しかし大西コーディネーターは「まだまだ業務にアナログな部分が残っており、効率化が必要」と考えている。2009年に入って、新しい開発プロジェクトをスタートさせた。すでに、成果が出始めている。その一つが、日々の問い合わせ件数をリアルタイムに集計すること。これまでもWebサイト経由の問い合わせ内容は、セールスフォースのデータベース上に自動的に登録されていたが、その件数だけはデータを見て集計する必要があった。

 利用しているのは、セールスフォースのダッシュボード機能。問い合わせ件数もリアルタイムに集計・表示する(写真3)。フローレンスでは、より多くの人にサービスを提供したいとの考えから、会員数の増加目標を設けている。それを達成できるかどうかの目安が、問い合わせ件数だ。過去の実績から、問い合わせ件数の何割ぐらいが新たな会員になりそうかが分かるためという。今では、最新の問い合わせ件数を、フローレンスの社員全員が参照・把握できる。

効率化すべき業務はまだまだある

 フローレンスでは今後も、ITを利用した効率化を進めることで、サービスの向上を図る考えだ。対象業務の一例が、レスキュー隊員のシフト管理。今は、コーディネーターと呼ばれるフローレンスの担当者が調整し、各隊員に電話で直接連絡している。これをメールに置き換えることを考えている。預かる子供に関する情報についても、メールのほうが伝えやすくなる。

 会員の申し込みについても、Webサイトに入力されたデータを、セールスフォーのアプリケーションに自動的に取り込むことを考えている。現状は、Excelのシートに情報を記入してもらっているため、例年4月など申し込みが急増する時期には担当者の作業負荷が高くなっている。

 効率化に向けた期待が高いSaaS。だが、人数が少なく資金も限られる一般にNPO法人にとっては、IT先任者を置けないケースが多い。フローレンスでも、「年に何度かバージョンアップや機能追加が実施されるが、なかなか全機能を把握しきれない」(大西コーディネーター)といった課題を抱えている。そのため、2008年からは、SaaSなどのコンサルティングを手がけるITベンチャー企業、ウフルの助けも借りている。先のダッシュボード機能の利用も、ウフルの助言によるものだ。

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