サービス産業の生産性向上はバリューチェーン全体を俯瞰した顧客ニーズ対応と業務プロセスの改善・改革によるところが大きい。小売業であれば、商品企画や原材料開発、製造や物流、品ぞろえ、売り場作り、そして販売やサービスといった一連の流れを、顧客サービスの質やパートナーとの連携の視点を持ちながら、業務とシステムの両輪でデザインすることである。

 ただ、何を差しおいても優先順位が高いのは店頭であり、売り場だ。とりわけPOS(販売時点情報管理)システムでの接客と業務処理は顧客サービスの質と業務の正確性・効率を最高レベルで実現する必要がある。

 筆者は1982年に日本で最初の本格的なPOSシステム導入となった、セブン-イレブンの第2次システム開発にかかわった。米国や中国も含めれば合計7回のPOSシステム開発を経験している。いずれも独自開発で、業務設計や新規のハード開発も含む店舗系と本部系の広範囲での再構築である。

 コンビニエンスストアは過去25年間、技術面や機能面、サービスレベルで大きな革新があった。とりわけ進歩が著しいのは顧客接点であるPOSシステムであり、コンビニの発展を凝縮した仕組みになっている。設計コンセプトは常に顧客への最大のサービス提供であり、標準化や簡素化、統合化による容易な操作性の実現でもある。一番の教訓は業務とシステムの両面で質の高い仕組みを構造的かつ総合的に作り上げ、その上に業務アプリケーションをデザインすることだ。これで顧客接点の質が高まり、サービスの可能性が拡大する。

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