今回の連載では、サービス・イノベーションを効果的に推進するポイントをまとめる。イノベーションが進まない背景には様々な理由が考えられるが、多くの企業に共通するのは事業コンセプトと業務プロセスの間に大きなギャップがあることだ。

 買い手市場への変化や生活者主権の多様な価値実現が求められる「価値社会」の中で、多くの企業が事業コンセプトとして「顧客ニーズへの対応やマーケットプル型の商品・サービス提供」を掲げてはいる。ところが、顧客接点である現場への情報提供や現場情報の本部へのフィードバックをタイムリーに双方向で組み立て、例えば商品開発にも営業部門や店舗の意見を効果的に取り入れるといった業務プロセスの抜本的な見直しは意外に実現されていない。依然として、売り手市場時代のプッシュ型のプロセスが大半を占めている。

 経営方針や事業戦略として語られる企業の事業コンセプトは、整理して発信しただけでは現場は何も変わらない。大事なことは、コンセプトに適合した業務プロセスがきちんと整備され、機能していることである。ここでいう業務プロセスとは情報共有や意思決定の方法、各部門の役割の明確化とその連動のことだ。これらを実行する組織や人員体制、会議体なども含めた企業活動の全体構造を組み立てることを考えなければならない。

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