NTT東日本とケーブルテレビ山形(本社:山形県山形市,社長:高橋文夫氏)は,2009年度第2四半期をめどに,NTT東日本のブロードバンドサービス「フレッツ光」にケーブルテレビ山形の多チャンネル放送サービスを組み合わせたトリプル・プレイ・サービスを提供する計画である(発表資料)。同サービスは山形県の上山市,寒河江市,河北町,中山町,山辺町の約3万3000世帯が対象で,ケーブルテレビ山形が現在ケーブルテレビ(CATV)サービスを提供している地域に隣接する。

 今回の協業は,NTT東日本とケーブルテレビ山形の双方にとって,メリットが大きい。まずNTT東日本は,これまでブロードバンドサービスだけでは興味を示さなかったユーザーにもフレッツ光が浸透するきっかけになる。ケーブルテレビ山形にとっては,コスト負担が重すぎて配信網を敷設できなかった地域に,NTT東日本の回線を使って多チャンネル放送サービスを提供できるようになる。今回両社が協業してサービス提供を開始する地域は,従来ケーブルテレビ山形がCATVサービスを提供しているエリアとは重ならないので,同社にとっては放送に限って単純にサービス地域を広げられることになる。

 サービス料金は,NTT東日本のインターネット接続サービスとIP電話サービス,ケーブルテレビ山形の多チャンネル放送サービスそれぞれの単体料金を合算した金額になる予定で,一例として月額1万2232.5円(戸建向けフレッツ光ネクストプロバイダパック:月額5985円から,ひかり電話基本プラン:月額525円,デジタルEX多チャンネル基本利用料:月額5250円,フレッツ・テレビ伝送サービス:月額472.5円の合計)程度となる。利用者から見ると近接するエリアで異なる料金体系のトリプル・プレイ・サービスが並存することになるが「地域ごとにそれぞれ最適なサービスを提供する」(ケーブルテレビ山形)という。

 新サービスの提供に当たりケーブルテレビ山形が行う準備作業は,設備面よりも制度面の手続きで手間がかかるという。送出用のヘッドエンドをNTT東日本の設備に接続するための光ケーブルを新たに設置するだけで済む一方で,制度面では現在有線テレビジョン放送として提供している事業を,有線役務利用放送に切り替える。

 今回ケーブルテレビ山形がフレッツ光回線で提供する放送サービスは,NTT東西地域会社とスカパーJSATホールディングスグループの有線役務利用放送事業者「オプティキャスト」が提供している「スカパー!光」と同じ技術方式を採用している。つまり,トリプル・プレイ・サービスの放送サービス部分をオプティキャストからケーブルテレビ山形に付け替えた形になっている。今回のサービスについてオプティキャストは「当社は主に人口密集地域を中心に事業展開する方針なので,影響は少ない」とコメントし,提供地域の異なるサービスとしてすみ分けできるとする見解を示した。

出典:日経ニューメディア 2009年3月9日号 13ページより
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