米IP Devices代表
岸本 善一

 Power management(電源管理)を行うには,図1に示すように様々な手法がある。これらを個別に実施するだけでも意味はあるが,系統立てたアプローチを採ることによってシステム全体の電力効率を向上させ,より効果的に総電力消費量を削減することができる。

図1●電源管理を効果的に実施するためのアプローチ
図1●電源管理を効果的に実施するためのアプローチ
 最初に着手すべきことは,電力管理を自動で行うCPUを使用すること。それからIT機器やサポート機器の単体での電力効率を上げる。さらに仮想化などによってIT機器を統合する,1つのサーキットから稼動できるIT機器の数を増やす,機器の電力消費をモニターして不要なサーバーを停止するなどの対策をとる。さらに,VM(仮想化マシン)をポリシーに応じて移動させたり,ファシリティ機器(冷却装置など)と連動させることによって徹底して電力消費を削減する。

・CPUレベルの電源管理

 最近のCPUは,許容範囲以上の熱を自動検知したり,負荷が軽くなるとクロックのスピードを自動的に落として発熱を抑えたりして,電力消費を節約している。この機能をCPU throttle(スロットル)と呼び,IntelとAMDはそれぞれSpeedStepとCoolnQuietという名前で提供している。

 連載の第4回で述べたEPAの5つシナリオを定義する項目の中に,こうした機能を備えるCPUを使用しているか(電源管理がサーバーのx%で有効)が含まれている。これはユーザーにとっては一番容易な選択である。

・機器の電力効率の向上

 現在,EPAのEnergyStarは,サーバー用のエネルギー効率に関する仕様を開発中で,今年初旬に発表される予定である。これが完成すると,次はストレージやネットワーク機器に関する仕様が開発されるとのことだ。IT機器に比べるとファシリティ機器の効率についてはあまり議論されていない。だが,EPAのレポートにもあるように,UPSや変圧器の効率は,電力消費を抑えるための要因の1つである。

 写真1は,APC社の効率96%の最新のUPS装置である。先ほど述べたEPAの5つのシナリオの中で,State-of-the-art(最先端技術導入型)のシナリオでは,UPSの効率を95%と定義しているが,この製品はそれを上回る効率である。ファシリティ機器の効率アップのため,機器の小型化や送風ファンの回転速度を必要に応じて変更する技術なども開発されている。

写真1●APC社の効率96%のUPS装置「Symmetra PX 250kW/500kW」
写真1●APC社の効率96%のUPS装置「Symmetra PX 250kW/500kW」
 EPAの最先端技術導入型のシナリオで仮定されている「UPSの効率=95%」を上回る96%の効率を実現したとされる。写真提供:APC社。

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