先ごろ公表された調査結果によると,過去3カ月間にネットブックを購入した人の90%がOSとしてWindowsを使っているという。このことからも,ネットブックが登場した当初こそLinuxの利用が急増したものの,その流行はすでにピークを過ぎて衰退し始めていることがわかる。この状況は驚くに当たらないだろう。

 現在のネットブックはLinux機もWindows機も同程度の価格で,機能も似たようなものだ。ただし,Windowsネットブックが人気OS「Windows XP」を搭載しているのに対し,LinuxネットブックのOSは当たり前のことながらLinuxである。別にLinuxで悪いわけではない。そこそこ手間をかければ,Linuxを搭載したネットブックは便利なデバイスになる。もっとも,手間がほとんどかからないものと,そこそこ必要なものを比べると,たいていの人は前者を選ぶ。

 一言で言うと,WindowsはWindowsで,LinuxはLinuxということだ。いずれも当面はこのまま変わらないだろう。条件が同じならば,ユーザーはWindowsを選ぶ。Linuxがこのような困難を打ち破り,ネットブックに採用されるにはどうしたらよいのだろうか。

 筆者は英ARM製プロセッサに活路を見出せるのではと考えている。ARM製プロセッサは以前に議論の対象となったことがあったが,実際に採用したネットブックは確かに少なかった。しかし,これから登場するARM製プロセッサ・ベースのネットブック「TouchBook」は,非常に興味深い。

軽くて安い「TouchBook」でLinuxネットブックが復活するか?

 米Always Innovatingの「TouchBook」を知らない読者のために,仕様を紹介しよう。重さ2ポンド(約900g)のきょう体に8.9インチのタッチスクリーンを備え,標準構成で10~15時間のバッテリ駆動が可能だ。キーボードを取り外すと小型タブレットPCとして使える。価格はわずか399ドルで,キーボードなしのタブレットPC構成だと299ドルで買えてしまう。具体的な数字はわからないが,消費電力が極めて小さいので,多少は電気料金の節約につながるだろう。TouchBookの販売は2009年5月か6月に始まる。Always InnovatingのWebサイトでは,米国在住者向けの予約申し込みを受け付けている。

 もちろん,TouchBookに搭載されているオープンソース・アプリケーションは,使い慣れるまでやや時間がかかる。けれども,400ドル程度の価格と電気代もほとんどゼロで済む(しかも,ソフトウエア代は無料)ことを考えると,十分に割が合うはずだ。

 最後に「TouchBookには,次に買うネットブックとしてLinux搭載機を候補に入れるだけの魅了があるのか」という疑問が残る。TouchBookの魅力が不十分なら,うわさされている100ドルARM搭載ネットブック(もしくは,より現実的な200ドル・ネットブック)はどうだろう。それとも,見た目の美しいWindows XP(そして,間もなく「Windows 7」を採用する)ネットブック以上に魅力的なLinuxネットブックは存在しないだろうか。

TouchBookのフォト・ギャラリ

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