1月22日から23日にかけて開催された「JANOG23」に行ってきました。今回はそのご報告をしたいと思います。

 意外に思われるかもしれませんが,これまでに開催された22回のJANOGミーティングで,中国・四国地方で開催されるJANOGは初めて。今回のJANOGホストは,高知でプロバイダ事業を営んでおられるナインレイヤーズさんです。

 私とナインレイヤーズの社長さんとは数年来のお付き合いで,今はサーバーの監視・異常通知サービス「SPEED Call」の事業も一緒にやらせていただいています。そのお付き合いもあって,JANOG20で私が経営する会社(まほろば工房)がホストを担当したのをきっかけに,「小さい会社でもホストはできる!」ということで高知開催を決めたそうです。

 高知と聞いて思い浮かべるのは,やっぱり「鰹」です。このほかにも,いろいろおいしいものがあるんですよ。特に高知で私が気になる魚が「のれそれ」。水の妖精とも言われるようですが,実態は穴子の稚魚で,これがまたおいしいのです。ただ,冬の高知はどちらも季節はずれで,新鮮なものをいただけずちょっと残念でした。

JANOG23のみどころ

写真1●受付前のホワイエもにぎわっていた
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 さて,肝心のJANOG23に話を戻しましょう。今回の参加者は350人を超え,地方開催としてはかなりの方々が参加されました(写真1)。今回のテーマは「レイヤを超えた交流」でしたが,プログラムはIPv6やIPv4枯渇に関する問題のものが多く目立ちました。やはりここ数年のテーマとしては欠かせないもののようです。

 IPv6/IPv4枯渇以外のテーマとして私が注目したのが,「データセンターの建築・設備の最新動向」です。JANOGとしては少しテーマが違うように思えますが,決して無縁なテーマでありません。IT機器を運用するオペレータにとっては,それらをどこに置くか,その環境がどうなっているのかを知ることは非常に大切なことです。

 そのほかにも,「ここまで捨てられる!スパムメール対策術」なども面白かったのですが,ここではIPv6/IPv4枯渇に関する発表の中から気になったものと,データ・センターのプログラムを私の視点からご報告したいと思います。

IPv4枯渇,そしてIPv6への移行

 IPv4の消費動向はここ最近の注目情報の一つといって過言ではないでしょう。実際,現在の消費水準がそのまま維持されると,2011年後半には新たに配布できるIPv4アドレスはなくなります。このような時代背景でIPネットワーク,特にグローバル・アドレスを多く使うISPやデータ・センター事業者などは,2011年前後を目指して対策を講じていかなくてはなりません。

 ISPやデータ・センター事業者がこれらの問題に対して取り得る現実的な対策は,以下の三つです。

  1. IPv6への移行
  2. キャリア・グレードNATの導入
  3. IPv4-IPv6プロトコル・トランスレータの導入

 Webホスティングだけに特定すれば,リバース・プロキシを導入するという方法もあります。リバース・プロキシとは,代表となるWebサーバーがHTTPの接続をいったん受け付け,その接続をURLベースで要求されたWebサーバーに転送するという技術です。これにより一つのIPアドレスで複数のWebサーバーを取り扱うことができるようになります。

 いずれにせよ,IPv4を現状のまま使い続けるのは難しいというのが一般的な考えです。

 では,対策としてどれが効果的なのでしょうか? 残念ながら,これは一概には言えません。IPv6に移行するというのが単純かつ効果的なことは明白ですが,「ホストは対応してもネットワークが対応していない」(1日目のプログラム「IPv6のネットワークデザイン」より)という現実があります。

 現状,LinuxやFreeBSD,Windows Vistaをはじめ,OSレベルでのIPv6対応はほぼ終わっています。一方でネットワークについては,エンドユーザーにIPv6アドレスをどのように割り当てるかなど,技術的に「コレ!」という手法はまだないのです。このため,エンドユーザー向けのISPは,まだIPv6接続サービスを開始していないところがほとんどです。

 ISPのネットワーク内部では,IPv6実用実験などが多く行われていると聞いています。NTT東西のフレッツを使った時に起こるIPv6接続手法の問題──つまりISPが提供するIPv6アドレスとフレッツで提供されるIPv6アドレスをどのように選択して利用するかという「マルチプレフィックス問題」──も議論が終盤に差し掛かっていますので,間もなく解決に向かうと思われます。

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