3次元地図は複数の事業者が構築を進めている。中でも注目度が高いのは2008年4月に国内でも提供が始まったマイクロソフトの「Live Search地図検索3D」。無償利用できるにもかかわらず,ビルなどのモデリングの精度が高い。

 これはマイクロソフトが2006年に買収した米ベクセルの技術を使って作成したもの。「航空写真からビルの標高と壁面の画像などを自動抽出し,ビルの3次元データをほぼ自動生成している。米国版のサービスでは街路樹もモデル化できている」(マイクロソフト コンシューマー&オンライン事業部の網代正孝ソリューションセールススペシャリスト)という。

 現時点で3次元に対応している国内の地図は東京中心部だけだが,順次全国をカバーする予定だ(写真1)。マイクロソフトはLive Search地図検索3Dだけではなく,データベース製品の最新版「SQL Server 2008」に空間データを扱う機能を追加するなど,地図サービスや位置情報全般に対して並々ならぬ姿勢を見せている。

写真1●3次元地図やパノラマ地図の作成が進みつつある
画面はマイクロソフトが提供する「Live Search地図検索3D」で東京タワーを見たところ。
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ビルの壁面や街路樹までクッキリ

 国内企業では,地図情報大手ゼンリンの子会社であるジオ技術研究所が,法人向けに3次元地図を構築中だ。同社はハイビジョン・カメラなどを積載した自動車を走らせ,その映像などから立体物の3次元データを自動生成する方式を採用する。ビルの壁面の模様はもちろん,影や街路樹も表現されており,品質は高い。

 既に東京23区や大阪市内,国内主要都市の市街地は作成を完了。現在は独ベルリン市など海外に対応中で,2010年までに北米の主要40都市以上,欧州の主要40都市以上の整備を目指す。作成した3次元地図はカーナビゲーション製品のメーカーなどに販売する考えである。

 360度方向で街並みの写真を閲覧できるパノラマ地図も,効果は3次元地図とほぼ同じだ。代表例は,プライバシー侵害問題を含めて話題を呼んでいる「Googleストリートビュー」。ほかにも,国内ではロケーションビュー,海外では米アースマインなど,パノラマ地図を手掛けている業者がある。アースマインのシステムはパノラマ地図にタグ付けでき,拡張性の点で注目度が高い。「国道1号線」や「白金タワー」といった道路名やビル名などをパノラマ地図内の写真に書き込める。

出典:日経コミュニケーション 2009年1月15日号 pp.25-26
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