ネットワーク/モバイル分野でITpro読者の注目を最も集めたのは「IPv6」だった。2011年にも,新たに割り当てるアドレスがなくなると言われているインターネットの「IPv4アドレス枯渇問題」への対策として,急速にIPv6アドレスへの注目度が高まっている。これまでも何度か,「IPv4アドレスがなくなる」「IPv6へ移行しないといけない」という話が出ては消えていったという経緯があるが,今度こそ本当に「IPv6」時代の到来となるのだろうか。

表1●2009年に注目したいネットワーク/モバイル分野のITキーワード
表1●2009年に注目したいネットワーク/モバイル分野のITキーワード(有効回答数=2043)
(有効回答数=2043)
表2●2008年に注目したネットワーク/モバイル分野のITキーワード
表2●2008年に注目したネットワーク/モバイル分野のITキーワード(有効回答数=2043)
(有効回答数=2043)

 ITproが2008年12月の第3~4週に実施したアンケート調査「2009年に注目したいITキーワード」(有効回答数:2043)のネットワーク/モバイル分野で,2009年に注目したいキーワードの第1位に輝いたのは回答数819(40.1%)の「IPv6」だった。以下,同531(26.0%)の「NWGN(新世代ネットワーク)」,同509(24.9%)の「IPv4アドレス枯渇問題」と続く。

 言うまでもなく,IPv6とIPv4アドレス枯渇問題は関連キーワード。IPv4アドレスは,これまでも何度か枯渇の危機にあるという観測がなされたが,最近のものはこれまでとは“真剣度合い”が違う。2008年9月には「IPv4アドレス枯渇対応タスクフォース」も発足し,官民一体で対策を進めるとしている(関連記事:総務省と関連13団体が「タスクフォース」立ち上げ2年後に迫るIPアドレス枯渇)。

 アドレス枯渇の対策としては,延命策としてのキャリア・グレードNATなどもあるが,やはり根本策はIPv6の導入だ(関連記事:図解で学ぶIPv6大型NATとIPv6でインターネットはこう変わる)。IPv6は,IPv4の問題点を解消するために登場した新しいインターネット・プロトコルである。1995年の登場から10年以上がたつものの,いまだ普及しているとは言い難い。それが,IPv4の枯渇が現実味を帯びてきた現在,注目度が急上昇しているのだ。今回のアンケート調査でも,IPv6を「2008年に注目したITキーワード」に挙げた回答数は442(21.6%)だったが,「2009年に注目したい~」では同819と急増した。

 なお,IPv4アドレス枯渇とIPv6についてはITproでも注目度を高めており,最新のニュース記事やインタビュー記事,様々な解説記事をまとめた「IPアドレス枯渇カウントダウン」特番サイトを2008年11月に開設している。

NWGNの注目度アップはNGNに対する不満の裏返しか

 一方,第2位にランクインしたNWGNは,NGN(次世代ネットワーク)の次のネットワークとして検討され始めているネットワークである。日本では,総務省や独立行政法人の情報通信研究機構(NICT)が推進している(関連記事:「NGNの“次”では日本がイニシアティブを」---JGN2+AKARIシンポジウム2008開催)。NICTによると,NWGNは2011年に詳細設計を確定し,2015年以降の実用化を目指すといったスケジュールだが,早くも「2009年に注目したいITキーワード」の2位に輝いた。

 NWGNは,「2008年に注目した~」では回答数157(7.7%)とベスト10圏外だったが,「2009年に注目したい~」では同531と3倍以上に増えている。

 これは裏を返せば,NGNに対する人々の“期待はずれ感”を示したものとも言えそうだ。NGNは2008年3月にNTTの商用サービスが始まったばかりで,2009年もエリアの拡大などサービス拡充が続く。しかし注目度としては下がり気味だ。今回のアンケート調査でも,「2008年に注目した~」は回答数495(24.2%)で第3位だったものの,「2009年に注目したい~」では同415(20.3%)で第6位とダウンした。

 企業ユーザーは決して,インターネットなどの“信頼性の低いネットワーク”に満足しているわけではない。しかし,現状のNGNでは不満が残り,意識がその次に向かっているのだろうか(関連記事:NGNの企業利用が進まない三つの理由)。

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