ネット広告大手のサイバーエージェントは今年5月、ブログサービス「Ameba(アメブロ)」のシステム基盤を全面刷新した。従来の基盤は拡張性や可用性に乏しく、安定稼働さえ危ぶまれたためである。委託ベンダーの技術力不足と、それを許してしまった社内体制が原因だった。サービスを止めず、むしろ拡充しながら2年強をかけて段階的に構成を変えてきた。

 「2年前に大失敗したからこそ、今のシステムがある」。この7月に達成した50億ページビュー(PV)について新規開発局の佐藤真人CTO(最高技術責任者)は、こう言い切る。

 50億PVは1年前の3.5倍、2年前と比べると10倍超に相当する。会員数も8月には350万人を超えた(図1)。芸能人やスポーツ選手といった著名人のブログを集める戦略が奏功した結果だ。この4月には俳優 上地雄輔氏のブログが1日の閲覧ユニークユーザー数23万755人を記録し、「世界一多くの人に見られるブログ」としてギネス世界記録に認定された。

図1●サイバーエージェントのブログサービス「Ameba(アメブロ、左上)」の概要
この6月には同社会員の著名人ブログ(左下)が、「世界で最も1日の閲覧ユニークユーザー数が多いブログ」としてギネス世界記録に認定された
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 冒頭の佐藤CTOの言葉は、大げさではない。2年前のアメブロは4億PV程度でも「現在、サーバーへのアクセスが大変込み合っています」という「ソーリー画面」が頻発していた。ほぼ毎週、火曜日の午前2時から6時ごろにメンテナンスのためサービスが止まる。「毎週メンテナンスされていますが、肝心な部分が直っていない気がします」「ホントに改善されるの?」。メンテナンスを告げる同社スタッフのブログには、ユーザーからの手厳しいコメントが並んだ。スタッフブログのテーマのうち、メンテナンス関連のものは125件と2番目の多さだった。

 理由はシステム基盤の“崩壊”。2004年9月のサービス開始から順調にPVを増やすものの、月間数億PVになると基盤が悲鳴を上げ始めたのだ。データベース(DB)サーバーのプロセサ使用率が頻繁に100%に達しても対応できない。サイトの設計・構築を委託したベンダーのスキルがなく、サイバーエージェント側のエンジニアも基盤の改良まで手が回らない。一方でサービスや機能は拡充せざるを得ず、ダウンや停止が頻発していた(図2)。

図2●システム基盤全面刷新プロジェクトの背景
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