あまたあるコンテンツを容易に発信したい,運用側にいる誰もが欲しがるこの機能。その旗印のように語られるCMS(コンテンツマネージメントシステム)。私は,CMSの導入に際しては,四つの意識すべき領域があるように思っています。即ち,コンテンツ設計領域,ページ制作領域,サイト運用領域,そして戦略領域。今回は,そのCMSについて,所感を書かせていただきます。


11月26日にCMS Conference 2008が開催されます。ベンダーと識者が現状と本音を語ります。CMS情報は生ものです。新鮮な情報でご自分の目と耳でご判断ください。

CMSって何?

 「CMS」と聞いて,多くの方が頭に浮かべるのは,「ページ制作」にかかわる手間隙の軽減だと思われます。雛形となるテンプレートに,データベース的なものからデータを流し込めば,デザイナに制作を依頼しなくても,見栄えの良いページが自動的に制作できる。デザインの勉強も,HTMLの知識すら習得する必要をなくしてくれて,お客様を自動的に引き込んでくれるような魔法のツール。そんな幻想が広がっているように思います。

 結論から書けば,何もかもやってくれる“魔法的自動販売機”は無いと思ったほうが間違いがありません。導入さえすれば,それで担当社員が楽をして自動的に利益が上がる…,そのようなEC用CMSはありません。また,原稿を何となく書いて,何かボタンを押せば,万人がその情報を読んでくれるようなページを作ってくれる情報公開型CMSも存在しません。

 これは,CMS製品の品質を問題としているのではなく,導入検討や製品選定に対する期待感を問題視しているということです。例えば, Adobe Photoshopを購入しさえすれば,自分はプロのデザイナになれる,と思う人は余りいないでしょう。操作方法習得や感性の鍛錬,バージョンアップへの対応,情報収集のためのアンテナ等など,導入(購入)後のたゆまぬ努力は常識的な必須条件です。

 でも,CMSは導入すれば安心と思われがちに見えます。ある特定の製品購入は,業種や体制によっては必要条件にはなりますが,それだけで十分条件にはならないことが,時として忘れ去られがちになってしまいます。

CMSは車で遠くに行くが如し?
CMSは車で遠くに行くが如し?

 CMSはたとえて言うなら,車です。車を買うだけで満足する人は,陳列しかしない人でしょう。けれど,そんな人は稀です。CMSは動かして,初めて価値が出ます。導入だけでは自己満足としか言えないでしょう。導入後の道筋を決めておかないと,導入後(サイトのリリース後)には軌道修正不可能なイバラの道が待っています。

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