2011年7月以降のBSデジタル放送(次期BSデジタル放送)で使う第21・第23チャンネルの電波干渉問題について総務省は,具体的な解決の期限を設けていないことを明らかにした。総務省は,屋外設置型の増幅器を使用している一部のBS放送受信システムで第21・23チャンネルの電波を受信すると,同システムから中間周波数の電波が漏れて,1.5GHz帯の携帯電話(現行はPDC方式に利用)の基地局に電波干渉を引き起こすことを確認したと2008年5月に発表した。同省はこの問題を解決するため,同年5月に「一部の形態のBS放送受信システムの電波干渉問題に関する連絡会」を立ち上げている。

 連絡会は1カ月に1度ぐらいの頻度で会合を開催して,解決に向けた議論を進めている。ところが連絡会は放送事業者や通信事業者,アンテナメーカー,家電販売店の業界団体など多種多様な関係者で構成されており,意見集約が容易にできない状態だ。総務省は電波干渉問題の解決のため,関係者から任意の協力を得ている立場である。総務省はこの問題を「早期に,かつ円滑に解決にしたい」としながらも,「こちらで期限を決めて,その期限内での対応を関係者に強いることはできない」と判断している。

 電波干渉問題を解決する際に避けては通れないのが,費用負担の問題である。総務省によると,400~500局のPDC方式の基地局がカバーするエリアで,電波干渉防止対策を施す必要があるという。具体的には,戸建て住宅や集合住宅などに設置された電波干渉の原因となるBS放送受信システムを特定して,その受信システムを改修しなければならない。連絡会で費用負担に関する議論が長引く場合は,第21・23チャンネルを次期BSデジタル放送で利用できるようになる時期が遅れることもあり得る。

出典:日経ニューメディア 2008年11月17日号 2ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。