4月1日付でマイクロソフトの新社長に就任する樋口泰行氏は、2月28日の記者会見の席上で「再度、XPの販売期間を延長することはない」と言い切った。だからといって、慌てふためく愚は避けたい。まずは、XPやVistaをはじめとするクライアント製品の動向を正確に把握することが重要である。

 XPパソコンの販売終了=XPの寿命では決してない。あまり知られていないが、XPはWindowsで最長の無償サポートが適用されたOSである。6年先の2014年4月までセキュリティ・パッチが無償で手に入り、その間XPを使い続けることが可能だ。「6年もあれば、中期経営計画が2回立てられる」(積水化学工業の原担当部長)と指摘するように、XPを使い続けている間に、企業におけるクライアント端末の要件が様変わりする可能性もある。

 情報システム部門は、XPのライフサイクルを左右する「サポート期限の仕組み」と「XP搭載パソコンを確保する手段」をきっちり理解しておかなければならない。その上で、戦略的にXPを利用し続け、自社の要件に見合った次期クライアントの姿をしっかりと見極めたい。

14年までパッチの提供を継続

 Windows 9xが全盛の時代、新しいWindowsの登場で旧OSのサポートが打ち切られ、多くのユーザー企業が苦い経験をした。そのため「Windowsは短命」というイメージが定着したが、今のXPは商用パッケージのなかでかなり手厚いサポート・レベルにある。

 マイクロソフトは04年に保守サポート体系を見直した。前半5年の「メインストリームサポート」と後半5年の「延長サポート」で、出荷開始から10年間は無償でセキュリティ・パッチを提供する。パッチの提供が打ち切られると、ユーザー企業はソフトウエアの移行やアップグレードを検討するため、今後の Windows製品の寿命は基本10年といえる。

 この5年+5年ルールは、01年12月末に出荷開始したXPにもさかのぼって適用された(図3)。本来、新ルールに沿えば、出荷開始から5年後の06年末にXPのメインストリームサポートが終了するはずだった。ところが、XPのサポート期間が延長された。Vistaの出荷が遅れたためだ。マイクロソフトは、OSの出荷が遅れた場合、「新OSの出荷から2年後まで現行OSのメインストリームサポート期間を延長する」ルールを明示している。Vistaのコンシューマ向けの出荷が07年1月にずれ込んだことで、XPのメインストリームサポート期間が09年までとなったのだ。

図3●Windowsで最長寿命のXP
図3●Windowsで最長寿命のXP
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 そこから延長サポートが5年間続くため、XPは6年先の14年までセキュリティ・パッチが無償で入手できる。ちなみに、6年先というのは最短の場合だ。 Vistaの次期OSと目されている「Windows 7(仮称)」の開発状況次第では、サポート期間はさらに延びる可能性がある。マイクロソフトは、Vistaの次のWindows7の出荷から「2年間は XPの延長サポートを提供する」とルール化している。

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