無線ICタグを使い、CD/DVDの盗難を防止する技術が登場した。CD/DVDをそのままでは再生できない状態で製造し、顧客が購入したときに初めて有効化する仕組みだ。POSレジなどでICタグを有効化しないと再生できないため、商品の配送中や店頭で盗んでも転売したりできない。店舗ではカギ付きの棚に保管するといった手間も省ける。この技術を検証する実験を、米小売り大手のウォルマート・ストアーズやサーキット・シティ・ストアーズ、米映画大手のディズニーなどが共同で08年半ばにも実施する予定だ。

 技術名は「RFA(無線アクティベーション)」。オランダのロイヤル・フィリップス・エレクトロニクスから分社化したNXPセミコンダクターズと米ケストレル・ワイヤレスが開発した。

 仕組みはこうだ。CD/DVDの記録面の中心に近い部分に、ケストレルが独自開発した緑色のフィルム(底辺10mm、高さ5mm程度の三角形)を挟み込む。その場所には、CD/DVDコンテンツのディレクトリ情報が記録されており、緑色のフィルムに隠れて読めないためプレーヤで再生できない。

 CD/DVDは、そのフィルムの色を透明に変えることで再生可能になる。CD/DVDの穴の周りの透明部分に、フィルムに接続したICタグを埋め込んでおく。専用のリーダーでICタグにアクセスすると、フィルムに信号が送られ、色が透明になる。専用リーダーは、ケストレルのWebシステムに接続し、認証できたときにICタグを有効化する。

 ICチップは13.56MHz帯に対応し、08年前半に量産開始。「UHF帯にも対応でき、ウォルマートなどはUHF帯で実験する見込み」(NXPのカート・ビショフ・セグメント・マーケティング・マネジャ)という。

出典:日経コンピュータ 2007年11月26日号 26ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。