高い生産性で業務をこなせるビジネスツールとして社員にクライアントPCをフル活用してもらうには、セキュリティ対策を含め、しっかりしたクライアント管理体制を確立する必要がある。管理体制の基本は、クライアントPCの所在や動作状態を効率よく追跡することだ。そのためのクライアント管理ソリューションが数多く発売されている。PCにラベルを張り、管理台帳に登録する方法は、管理の仕組みとしてまったく不十分である。


 今回のテーマは、クライアント管理である。本題に入る前に、「信頼できるPC」の定義を第1回の説明に基づき確認しておきたい。信頼できるクライアントPCは、使う側と管理する側という2つの側面を持つ。両方からの要求に対して同時に応えられるクライアントPCが、信頼に値する存在と言える。第1回の本稿で次のように説明した。

 「使う側の要求とは、常にPCを安全な状態で使用でき、しかも業務を高い生産性でこなせることだ。ここでは、社員が日々扱うクライアントPCからどれだけ企業に利益をもたらせるかが重要なポイントになる。一方、管理する側の要求とは、企業が定めたセキュリティ・ポリシーに従って動作してくれること、そしてPCの動作状態によらずリモートから確実に管理・操作できることだ。ここでは、管理スタッフの労力を含め、IT関連の総合的な運用管理コストをいかに削減できるかが重要なポイントになる」。

 今回は、管理する側の要求を満たす「クライアント管理」について考えてみたい。クライアント管理における最初の一歩は、企業にとって資産的価値を持つクライアントPCを資産台帳に掲載できる形で管理することだ。そのためには、本社や支社、出張所などに散在するクライアントPCが、何年何月何日に、どの店舗または販社を通じて、いくらで購入されたものなのか、そしてそれが償却資産なのか、それともリース資産なのか、などを的確にチェックする必要がある。

ラベルや番号付けだけでは管理にならない

 こうして調べ上げた資産情報とクライアントPC本体を一対一で結びつける原始的な手法がラベルや番号付けだ。クライアントPCの側面や背面に資産情報が記載されたラベルを貼り、それぞれのPCに連番で番号を振って管理する。本稿を読まれている皆さんが会社で使っているクライアントPCにはラベルが貼られているだろうか。

 しかし、この方法では企業がどんな資産を所有しているのかという、経理業務でしか役立たない資産管理にとどまってしまう。デスクやチェア、ブックシェルフなど、単純な事務用品の管理ならこれで十分なのだが、それ自体が企業の中で高度かつ能動的に振る舞うクライアントPCの管理には不十分といわざるを得ない。

 クライアントPCの管理では、そのクライアントPCがデスクトップPCとノートPCのどちらなのか、そしてどのようなハードウエア/ソフトウエアから構成され、どの社員がどの場所で使っているのか、さらには現在どのような状態で動作しているのかといったことを的確に把握する必要がある。クライアントPCの所在や内部構成、動作状態を把握してこそ、初めて「管理」と呼べる最低限のレベルに達する。ラベルや番号付けは、クライアントPCを単に「カウント」しているに過ぎない。

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