2008年第1四半期のWindows Server 2008のリリースが近づいている。筆者はServer 2008のプロダクト・マネージャであるAlex Hinrichs氏と会って,同製品の開発,そして同製品の変更点が今後カスタマーにもたらす利益について話を聞いた。

 彼と話をしてわかったのは,Server 2008はカスタマーの声が今までで最も多く反映されたWindows Serverバージョンである,ということだ。そして,Server 2008は短期的に多少の互換性問題をもたらすメジャーな改訂版ではあるが,同製品が長期的にもたらす利益は議論の余地がないほど明白である。Windows 2008の開発について知っておくべきことを,以下に紹介する。

Hinrichs法

(訳注:「Heimlich maneuver = ハイムリック法:気管に詰まった物を取り除く応急処置」のもじり)

 Windows Server関連の作業の大半は,レッドモンドのMicrosoftキャンパスにある第43ビルで行われる。Alex Hinrichs氏は,Windows Serverの出荷室の運営,さらにMicrosoftのほぼすべての層のカスタマーに影響を及ぼすこの複雑極まりない製品の開発管理を担当している。彼は予定表の策定やプロセスの定義を行い,さらに彼の上司であるIain McDonald氏,Microsoftサーバー部門のジェネラル・マネージャであるBill Laing氏といった上層部にまで伝えられる決定を下す中心人物としての役割も果たすのだ。

 Microsoftに12年間籍を置くベテラン社員のHinrichs氏は,もともとWindows NTのプロダクト・マネージャとして採用された。彼は,SBS 4.0からSBS 2003までのすべてのSmall Business Server (SBS)のリリースについて,リリース・プロダクト・マネージャを務めた。SBS 2003の完成後,Hinrichs氏はWindows Serverに移ったのである。

サーバーが実行するロールによってサーバーを定義する

 Windows Server開発における最も重要な変更は,ロール・ベースの管理アーキテクチャへの移行である。Microsoftがこのアーキテクチャの初期バージョンの開発に着手したのは,何とWindows 2000のときである。しかし,Server 2008で,同OSはようやくコンポーネント化された。コンポーネント化によって,基盤となるアーキテクチャ,Windows Server上で動作する製品グループの両方に対して,同製品内の管理ロールを関連付けられるようになったのだ。

 「私たちは最初からWindows Server 2008に対して明確なビジョンを抱いていた。それが私たちの拠り所だった」とHinrichs氏は話す。「私たちは,多くのカスタマーと話をした。そして,彼らは考えているのは,製品バージョンという観点から見たWindows Serverではなく,サーバー・ボックスであるということがわかった。彼らはデータ・センターやサーバー・ルームで様々なマシンを指差して,『あれはドメイン・コントローラで,あれはファイル・サーバー。そして,あれはWebサーバーで,あれはDHCPだ』と言い当てられる。彼らはそういうふうに考えるのだ。問題なのは,私たちが異なる多くの機能を持つスイス・アーミー・ナイフのようなサーバー製品を作っている,ということである。カスタマーは,サーバーが実行するロールによってサーバーを定義することを欲していたのだ」。これが,Windows Serverにおけるロール・ベースのアーキテクチャが生まれたいきさつである。

 「このアーキテクチャは,一から製品を作り上げる作業の効率も向上させる」とHinrichs氏は付け加える。「ロールは最初から物事を定義する。そして,高度なコンポーネント化が実現したことで,私たちはデフォルトで必要最小限の機能のみをインストールし,管理者に彼らが必要としているものだけを与えることができるのだ」。多少の例外はあるものの,Microsoftのエンジニアリング・チームさえもロールによって組織化されている。

 「私たちの組織では,ターミナル・サービスやアクティブ・ディレクトリ,IISなどの事業について,それぞれを文字通り管理するジェネラル・マネージャやプロダクト・ユニット・マネージャがいる」とHinrichs氏は話す。「私たちは製品を初めから終わりまで設計することで,それを実現している。もう一度言うが,私たちが製品を正しく評価し,正しい決断を下すことができたのは,非常に明確な焦点とビジョンがあったからだ」。

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が2020年1月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら