「萌え(もえ)」という言葉が市民権を得て久しい。気になってオンラインの国語辞典を引くと「マンガ・アニメ・ゲームの少女キャラなどに,疑似恋愛的な好意を抱く様子」とある。これは一種の癒しなのではなかろうか。「萌え」と言えば,何はなくともメイドであろう。メイドを見て癒しの新境地を開くために,秋葉原のメイドカフェに突撃することにした。

りえさんは完璧にメイドになりきっているので,言葉遣いや身のこなしがとてもうやうやしい
りえさんは完璧にメイドになりきっているので,言葉遣いや身のこなしがとてもうやうやしい

 目指す店は「カフェメイリッシュ」。秋葉原から歩くこと10分弱で,店に到着した。店はビルの2階にある。下から見上げると,メイド服などコスプレ用の服をガラス越しに展示してある。意を決して階段を上った。ドアを開けて足を踏み入れると,「お帰りなさいませ。だんな様」──。メイド服のウェイトレスが深々とお辞儀をして出迎えてくれた。生まれて初めて「だんな様」と呼ばれた瞬間だった。


メイドの「スイッチ」が入る

 店の雰囲気だが,レジ横で販売しているメイドグッズを除けば,普通のカフェとは何の違いもない。「アキバコーラ」や「アキバジャイアントフロート」といった通常の3倍はあろうかというビッグサイズのドリンクメニューが異彩を放つが,基本的には普通のカフェと同じメニューである。客層も,てっきり秋葉系のオタクがほとんどかと思えば,スーツ姿の会社員や女子高生なども来るそうだ。何しろ,客の半分は女性なのだという。正直言って拍子抜けするほど,普通のカフェなのだった。

 唯一違うのは,ウェイトレスがみんなコスプレの格好をしているということである。今回,出迎えてくれた伊藤りえさんは,コスプレの世界では知る人ぞ知るアイドル的な存在だ。メイド服を着るとスイッチが入り,心身ともにメイドになりきるという。

 取材した日は終日「メイドデー」だったが,曜日や時間帯などによってコスプレ内容が変わる。中でもりえさんのお気に入りコスチュームは「ヤンキー」らしい。目の前のかわいらしいメイド姿のりえさんが特攻服に身を包み,ヤンキーになりきるのである。ヤンキーのウェイトレスに接客されたら,客としてはかなり怖いだろう。とても癒されるとは思えないが,怖いもの見たさでちょっと行ってみたい気もする。


今回のリラクゼーションスポット
カフェメイリッシュ
〒101-0021
東京都千代田区外神田3-6-2FH協和スクエア2F
電話:03-5289-7310
URL:http://www.mailish.jp/
ファミレスなみにメニューは豊富。コーヒーが525円,ケーキは472円から。カレーやスパゲッティ,お酒やつまみもある。ビッグサイズドリンクはアキバコーラが1050円,アキバジャイアントフロートが1260円など。

山口 徹(やまぐち とおる) サイボウズ・ラボ
山口 徹(やまぐち とおる)
山口 徹(やまぐち とおる)
大学在学中からバーテンダーを始め,5年間,夜の街でシェーカーを降り続ける。何を思い立ったか,Web制作会社に転職し,現在は,メタボと戦うサイボウズ・ラボのプログラマ。Perlを中心とした開発のノウハウやネタをShibuya Perl Mongersのイベントなどで発表するなど講演活動も行う傍ら,有志で開発しているブログバトラーのサーバー管理などもやっている。会社のブログはlog4ZIGOROu,個人のブログはYet AnotherHackadelic。好物はラーメン。特に横浜家系ラーメンを好む。
出典:日経ITプロフェッショナル 2006年1月号 149ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。