ソリューションプロバイダ各社が公的/非ベンダー系資格の取得時に支給する一時金の平均額(一時金を回答した企業の平均値)は今回、軒並み上昇した(表1)。首位の「技術士(情報工学部門)」は前年から3万2200円も上積みして27万円を突破。2位の中小企業診断士とは、4万円以上もの大差をつけた。

表1●資格取得時に支給する一時金の平均額(公的/非ベンダー系)
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資格取得時に支給する一時金の平均額(公的/非ベンダー系)

 しかし、技術士(情報工学部門)は社員に取らせたい資格にランクインしていない。営業効果も60ポイントと、高額な一時金の割には高くない。それでも一時金で優遇される理由は、その難易度の高さにあると考えられる。技術士(情報工学部門)を取得するには、情報処理技術者試験よりも広範囲で専門性の深い知識が必要だからだ。

 技術職に取らせたい資格と営業効果で首位に立った情報処理技術者試験プロジェクトマネージャは、一時金の平均支給額を調べ始めた2003年10月の調査から毎回平均支給額を上げている。今回の調査では、初めて20万円を突破。3年間の推移を見ると、2万円近くアップした(図1)。

主な資格における3年間の一時金の平均支給額の推移
図1●主な資格における3年間の一時金の平均支給額の推移

 この情報処理技術者試験プロジェクトマネージャの動きと対照的なのは、同じプロジェクトマネジャー向け資格であるPMPだ。同資格は、前年比7.9%減の12万円台へと下落。3年間の推移を見ても金額ベースで2万円以上もダウンした。PMPは取得に費用がかかるため、一時金を廃止して実費の負担に切り替えたソリューションプロバイダが増えた可能性が高い。

 例えば、総回答数が前回の75社から今回89社と19%増えたのに対して、情報処理技術者試験プロジェクトマネージャの一時金支給額を回答した企業は、前回の56社から69社と23%も増加している。PMPの場合、回答企業数は前回の33社から32社へと逆に減少しており、一時金の見直しが進んでいることをうかがわせた。

初級レベルの資格でも選別が進む

 同じく対照的な動きとなった資格は、基本情報技術者と初級システムアドミニストレータの二つ。いずれも情報処理技術者試験の下位資格ながら、基本情報技術者の一時金平均支給額は前年比12.6%増えて3万円台に乗せた。逆に初級システムアドミニストレータは前年比14.1%と大幅に減少。2万円を割り込んで1万8000円台まで下がってしまった。

 基本情報技術者はシステム開発者向けの資格。このため試験ではプログラミングなど開発工程にかかわる知識が問われ、ソリューションプロバイダの社員にとっては業務とのかかわりが強い。しかも、基本情報技術者は営業職に取らせたい資格で首位に立つなどニーズも高い。こうした背景が一時金を押し上げたものと思われる。

 一方、一時金を下げた初級システムアドミニストレータは、ユーザー企業の情報システム部門を対象にした資格。開発工程の知識よりも、パソコンの使い方や上流工程の企画/設計にかかわる知識が問われ、ソリューションプロバイダの社員にとっては業務とのかかわりが強いとは言えない。

出典:日経ソリューションビジネス2007年11月15日号 24~34ページ
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