NTTドコモは8月末,Windows Mobile 6搭載スマートフォン「HT1100」と「F1100」を発表した。従来のWindows Mobile搭載スマートフォンとは異なり,フルキーボードを廃したコンパクトな本体が特徴である。ユニークなUIや内線端末機能など,これまで国内に登場した端末には見られない機能を備える。

 Windows Mobile(WM)を搭載するスマートフォンに,従来機とは異なる特徴を備えた新端末が登場する。NTTドコモが2007年度第4四半期に発売予定の「HT1100」(台湾HTC製)と「F1100」(富士通製)である。どちらもキーボードはテンキーだけ。外観は普通の“携帯”である。今回短時間だが両端末の試作機をチェックできたので,その使用感を紹介する。

Windows Mobileらしくない外観

 HT1100とF1100は,一見するとWM搭載スマートフォンには見えない。これまで日本で発売済みのWM搭載のスマートフォンはすべてフルキーボードを備えるが,HT1100とF1100は備えていないからだ(表1)。

表1●Windows Mobile 6搭載スマートフォンの比較
表1●Windows Mobile 6搭載スマートフォンの比較

 ウィルコムが7月から発売したWM6搭載スマートフォン「Advanced/W-ZERO3[es]」と1100シリーズを並べると,その違いがよく分かる。フルキーボードを備えていない分,HT1100とF1100の本体はコンパクトだ(写真1)。長文のテキスト入力などには向かないが,持ち運びやすい。WM搭載スマートフォンの選択肢としてこれまでなかったタイプが加わることになる。

写真1●フルキーボードを搭載せず,コンパクトな本体を実現したNTTドコモのスマートフォン「HT1100」「F1100」[写真:木村 輝]
写真1●フルキーボードを搭載せず,コンパクトな本体を実現したNTTドコモのスマートフォン「HT1100」「F1100」[写真:木村 輝]

 テンキーは,一般の携帯電話も採用しているスライド式の機構で収納する。時刻表示などの専用の待ち受け画面を用意し,WMらしくない外観を強調している。

 いずれも下り最大3.6Mビット/秒のHSDPA(high speed downlink packet access)に対応。両機種ともにNTTドコモのスマートフォン向けパケット定額サービス「Biz・ホーダイ」を適用できるが,iモードには非対応だ。

指を使って操作するHT1100

 HT1100は,タッチパネル式のディスプレイを備え,指で画面をなぞることでメニュー操作できる独特のインタフェースを持つ。「Touch FLO」と名付けられたこの機能は,例えば下から上に指をなぞると,メニュー画面を呼び出せる。さらにメニュー画面上で左右に指をなぞると,アプリケーションのランチャー画面などが現れる。メニューの切り替わりには3D表示の効果を加えるなど,細かな作りこみを施している(写真2)。

写真2●タッチパネルを使って独自のインタフェースを実現した「HT1100」
写真2●タッチパネルを使って独自のインタフェースを実現した「HT1100」

 付属アプリケーションも同様のインタフェースを採用しており,例えばフォト・ビューワーでは,写真を表示中に画面上で指を小さく右回りに回転させると写真が拡大。左回りに回転させると縮小する。ただスクリーンを押す指の強さによって反応はまちまちであり,操作には慣れが必要と感じた。

 HT1100ではこのほか個人ユーザー向けに,動画共有サービス「YouTube Mobile」を視聴できるビューワーなどを搭載する。

内線端末として使えるF1100

 F1100は,企業ユーザー向けの機能を強化した端末だ。IEEE 802.11a/b/g対応の無線LANを搭載。無線IP電話として使える。ただし,試用できたデモ機はVoIP(voice over IP)機能が未実装だったため,無線LAN経由の通話は試せなかった。発売時には,NTTドコモの企業向け内線サービス「PASSAGE DUPLE」や「ビジネスmopera IPセントレックス」に対応する予定である。

 セキュリティ機能として指紋認証機能を搭載する点も特徴である。指紋認証を使って本体をロックできるほか,Webサイトのパスワードを自動入力する機能なども備えている。

 F1100はHT1100とは異なり,タッチパネル機構を搭載しない。操作はすべてボタン経由であるため,その配置に工夫が見られる(写真3)。ユーザーが自由に設定可能な4個のボタンを用意し,例えば内線端末として使うときは「ピックアップ」「保留」「転送」「保留転送」といった機能を割り当てられる。どの機能を割り当てたのかは,ディスプレイに文字列で表示できる。

写真3●ボタン配置にこだわった「F1100」
写真3●ボタン配置にこだわった「F1100」
内線端末として使う場合は「ピックアップ」「保留転送」などをアサインできる通常の携帯電話と同様のボタン配置を採用

 N902iLなどのFOMA/無線LANデュアル端末は,ボタン数が限られているため,複数ボタンを操作することで「ピックアップ」「保留転送」などの機能を実現していた。F1100では専用ボタンにこれらの機能を割り当てることができるので,内線端末利用時の使い勝手が良さそうだ。

出典:日経コミュニケーション 2007年9月15日号 28ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。