2006年11月11日発売になったPLAYSTATION 3。年末年始の商戦も終わり,やっと店頭でも入手しやすい状況になってきたため,購入を検討している向きも多いのではないだろうか。PLAYSTATION 3はゲーム機としてだけでなくBlu-ray Disc再生などのマルチメディア端末としての機能も魅力だが,Linuxが動作するという点も非常に興味深いところだ。

 今回はPS3に対応したLinuxディストリビューションのうち,Momonga Linuxをインストールして,その動作を確認してみた。

 なお,本記事のスクリーンショットはMomonga Projectに提供していただいた。

PLAYSTATION 3のハードウエア

 まず,PLAYSTATION 3(以下,PS3)のハードウエアについて確認しておこう。CPUは新しく開発されたCellを搭載している。CellはSCEI(Sony Computer Entertainment),ソニー,IBM,東芝の共同開発で,ベースになっているのはPowerアーキテクチャだ。Linuxが既に対応していたPowerPCと完全互換ではないが,カーネル1.6.16へのパッチが提供された後,2.6.20でPS3対応が正式に取り込まれ,さらに2.6.21でもCell対応拡張が盛り込まれる予定になっている。

 Cellの構成は,デュアルコアのPPE(PowerPC Processor Element)が一つ,SPE(Synergistic Processing Element)を8つ組み合わせたマルチコア構成のCPUとなっている。名前のとおり,PPEがPowerアーキテクチャのプロセッサになっていて,SPEは演算に特化したコプロセッサのようなものになっている。

 Cellは高い性能を持ったCPUと言われるが,各種演算処理を行うSPEがパワフルで,PPEの方はそのコントローラー的な役割を果たすようになっている。そのため,SPEを上手に活用するようなプログラムを書かないとCell本来の性能は発揮できないようだ。LinuxのCell対応ではカーネルがPPEとSPE両方に対応しているほか,SPEを利用したプログラミング用のライブラリなども用意されているので,今後高速な演算を行うようなプログラムが開発されてくるだろう。

 PS3にはCellの他に,GPUとしてRSX(Reality Synthesizer)を搭載している。RSXはビデオメモリーを256MB搭載した高性能なGPUだが,現状ではLinuxカーネルからRSXをコントロールすることができない。理由としてはPS3のアーキテクチャの関係から,また製品セキュリティの関係からRSXにアクセスするための技術情報やドライバが提供されていないためだ。

 PS3の特長でもあるフルHDのグラフィックス表示はRSXに負うところが多いだけに,PS3のハードウエアを100%活用できないのはPS3でLinuxを動作させる魅力を大きく損なっていると感じる。下手をするとLinux (for PlayStation 2)のようにかけ声倒れに終わりかねない。今のところCell対応のみに目が向いているようだが,早期に解決が図られることを期待したい。

 それでは,実際にPS3にLinuxをインストールしてみよう。

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