開発現場に張り付き、毎日残業に明け暮れています。女性として、こんな生活はもう限界です。もっと格好よくて楽そうな仕事、例えばコンサルタントになりたいと切実に思っています。
(ソフト開発会社、SE/女性・27歳)

A: 「時間の奴隷」である限り楽な仕事などない

 コンサルタントは楽な商売に見えるということですが,とんでもない。あるコンサルタントは,「自分の時給を計算してみたら,ファストフード店のアルバイトと同じだった」と言っていました。詳しくは拙著「外資の3倍速仕事術(日経BP社刊)」に書きましたが,仕事の要領を得るまで,コンサルタントというのは決して格好いい商売ではありません。

 あなたの悩みを解決するにはまず,「時間の奴隷」から脱出することです。それができなければ,SEにとどまっても,コンサルタントになっても,残業地獄からは抜け出せません。

 時間の奴隷から,どのように解放されるか。その答えは,自分自身の仕事を1つの「プロジェクト」と考え,それをいかにマネジメントするかに尽きます。例えば,仕事が効率的に進み,ほとんど残業なしで済んだ時のことを思い返してください。そんな時は,仕事の段取りがしっかりしており,作業内容が明確で,しかも必要なスキルやリソースが確保されているときです。つまり,自分の仕事のプロジェクトマネジメントがうまくいっている時です。逆に,残業が多い仕事はプロマネがうまくできていないのです。

 女性エンジニアで成功した人を何人か知っています。彼女たちもあなたと同様にハードワークをこなしてきましたが,女性としても職業人としても充実した日々を送っています。それは,時間の奴隷にならず,時間をうまく管理しているからです。

 さらに,PMやリーダーに対しても積極的に発言しましょう。「若手のSEにはなかなか口出しできない」と思うかもしれません。でも,改善点はいくらでも出てくるはずです。口うるさいヤツだと思われてもいいじゃないですか。それで残業が減るなら,安いものでしょう?

奥井 規晶(おくい のりあき)
1959年神奈川県出身。84年に早稲田大学理工学部大学院修士課程修了。日本IBMでSEとして活躍後,ボストン コンサルティング グループに入社。戦略系コンサルタントとして事業/情報戦略,システム再構築,SCMなどのプロジェクトを多数経験。その後,アーサー・D・リトル(ジャパン)のディレクターおよび関連会社のシー・クエンシャル代表取締役を経て,2001年にベリングポイント(元KPMGコンサルティング)代表取締役に就任。2004年4月に独立。現在,インターフュージョンコンサルティング代表取締役会長。経済同友会会員,日本キューバ・シガー教育協会専務理事。

出典:日経ITプロフェッショナル 2006年1月号 68ページより
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