西武鉄道やライブドアなど、粉飾決算による企業の不祥事が後を絶ちません。こうした不祥事を繰り返さないよう、今年5月に施行された新会社法では、税理士や公認会計士、税理士法人、監査法人などを「会計参与」という役職で取締役会に迎えることが認められました。会計参与の氏名は登記事項として外部にも公示されます。

 会計参与は社内の人間として取締役とともに会計書類を作成し、決算書を承認する取締役会に出席しなければなりません。計算書類に虚偽の記載がないか注意を払う義務を負います。

 これにより、第三者から見た決算の信頼性を高めて、銀行からの融資が受けやすくなるといった効果が期待されています。実際に優遇措置を表明した金融機関も出始めています。

 ただし、会計参与を置くかどうかは任意で強制ではありません。さらに、これまで決算書の作成を依頼されていた税理士らが企業から会計参与に就くよう依頼された時に、果たして進んで着任したがるかどうか疑問視する声もあります。計算書類に虚偽の記載があったことが発覚した時に、自らの注意義務順守を証明できない場合は株主代表訴訟の対象となるといった重い責任を伴うことが理由に挙げられます。どれだけ普及するかはまだ未知数な制度です。

出典:日経情報ストラテジー 2006年9月号 29ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。