RAID(レイド)(redundant array of independent disks)とは,複数のハードディスクをまとめて1台のハードディスクとして管理する技術です。ユーザーやアプリケーションからは,RAIDで構成された複数のディスクが1台のハードディスクに見えます。

 複数のハードディスクにデータを分散して記録することで,ディスクの読み書きを高速化したり,信頼性を向上させたりします。ディスクへの記録方式としては,RAID-0,RAID-1,RAID-5といったいくつかの方式があり,システムに必要な高速性や信頼性のレベル(冗長性),および容量を考慮して選択します。


図2 ソフトウエアRAIDとハードウエアRAID
ソフトウエアRAIDでは,OSなどのソフトウエアが複数のディスクを制御する。ハードウエアがディスクを制御するハードウエアRAIDには,コンピュータに装着するRAIDコントローラ・カードを使う方式と,RAID専用の外部ディスク装置を使う方式の2種類がある。

[画像のクリックで拡大表示]

表1 ソフトウエアRAIDとハードウエアRAIDの比較
[画像のクリックで拡大表示]

 RAIDを実現するには,ハードウエアRAIDとソフトウエアRAIDの2種類の方法があります(図2[拡大表示])。これらは複数のディスクを1台に見せるための管理を,ソフトウエアとハードウエアのどちらで実現するかで分かれます。

 ソフトウエアRAIDは,OSなどのソフトウエアが,複数ディスクをまとめて管理するものです。

 これに対しハードウエアRAIDは,RAIDコントローラのような専用ハードウエアに複数のディスクを接続します。コンピュータ本体にRAIDコントローラを内蔵するパターンと,コンピュータとは通常のSCSI(スカジー)*インタフェースで接続し専用の外部ディスク装置として使うディスク・アレイ装置を利用するパターンがあります。

安価だが負荷が高いソフトRAID

 ソフトウエアRAIDとハードウエアRAIDは,いずれもメリット/デメリットがあります(表1[拡大表示])。

 ソフトウエアRAIDは専用のハードウエアを必要としないため,ハードウエアRAIDに比べて安価です。Windowsをはじめとする最近のOSでは,RAID機能を標準で搭載しているものが一般的です。このため,複数のハードディスクを接続して設定すれば簡単にRAIDが実現できます。

 ただし,ソフトウエアRAIDの性能は,CPUに依存します。RAIDの管理をCPUで処理するため,CPUへの負荷が高まってシステム全体の処理が遅くなることがあります。また,OS起動後にしか有効にならないため,OSの起動ドライブには設定できないなどの制限があります。なお,最近の高速なCPUを使用した場合,ソフトウエアRAIDの性能がハードウエアRAIDをしのぐこともあるようです。

 一方のハードウエアRAIDは,システムからは単体のディスクにしか見えません。このため,OSそのものを格納することができます。OSやアプリケーションの設定を変える必要はありません。

 多くのRAIDは,障害が発生してもシステムをそのまま運用し続けることができます。また,障害が発生したディスクだけを正常なものに取り替えれば,元通りに復旧することができます。これらの一連の処理が,ソフトウエアRAIDではCPUの負担となってしまうのに対し,ハードウエアRAIDではコントローラが処理するのでCPUに負荷がかかりません。


●筆者:福士 祐樹(ふくし ゆうき)
ソリトンシステムズ パートナー営業本部
テクニカル・マーケティング兼コンサルタント

出典:日経NETWORK2005年8月号 120ページより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。