VMware Workstationは米VMwareの最初の製品であり,バージョン1.0は1999年に出荷された。2006年8月現在の最新版であるバージョン5.5.2は,第5世代の製品となる。

 バージョン1.0の出荷開始当時は,PCの処理性能はそれほど速くなかった。しかし,市場の仮想マシンへの期待,CPUベンダーをはじめとするハードウエア・ベンダーの協力,その後のPCの高性能化などにより,今では多くのユーザーが仮想マシンを使用している。

 VMware Workstationの主な用途は,(1)セキュリティ確保,(2)旧OS/アプリケーションの使用,(3)ソフトウエアの開発・テストなどである。それぞれ詳しく説明しよう。

セキュリティの確保に仮想環境を利用

 企業内では,セキュリティを高めるため,社内ネットワーク用と社外ネットワーク用にPCを分離して使用することがある。このような環境を構築するために,VMware Workstationが使用されている。このケースでは,ホストOS(仮想マシンを動かしているOS)を社外ネットワーク,ゲストOS(仮想マシン上で動いているOS)を社内ネットワークに接続することで,従来2台のPCが必要な場面を1台のPCで運用可能にしている。

 このような使い方は,社内のすべての社員が対象となる。そのため,ワンキーでホストOSとゲストOS,すなわち社内ネットワークに接続されたOSと社外ネットワークに接続されたOSを,全画面表示のまま切り替えられるようにしている(図1)。これは,VMware Workstationの「vmware-fullscreen」機能を利用している。

図1
図1●1台のPCで2つのOSを動かし,それぞれ社内LANとインターネット接続用に利用する

 vmware-fullscreenはコマンドで,Windows版のVMware Workstationのみが備えている機能である。「vmware-fullscreen」コマンドは,VMware Workstationのランタイム・オプションである。本コマンドを使用して全画面モードで仮想マシンを起動した場合,ユーザーはVMware Workstation自身のメニューやツールバーといったユーザー・インターフェースを使用できない。

 以下に,「vmware-fullscreen」コマンドを使用してゲストOSを全画面モードで起動後,ホストOSとゲストOSを,Pauseキーで切り替える手順を示す(Windows XPの場合)。

・環境設定

 まず,「C:\Documents and Settings\All Users\Application Data\VMware\VMware Workstation\config.ini」ファイルに,メモ帳などのテキスト・エディタを使って,以下の行を追加する。

FullScreenSwitch.cycleKey = "0x13,0x0"
FullScreenSwitch.cycleHost = “TRUE”

 1行目は,ゲストOSとホストOSを切り替えるキー(サイクル・キー)にPauseキーを指定するための設定。2行目は,ホストOSをサイクルに入れるための設定である。複数のゲストOSを一度に起動した場合は,サイクル・キーによってゲストOS間も切り替わる。

・仮想マシンを全画面モードで起動

 「vmware-fullscreen.exe」コマンドの引数に,起動したい仮想マシンを指定して,実行する(実際には1行に続けて入力する)。

"C:\Program Files\VMware\VMware Workstation\vmware-fullscreen.exe" -poweron -name=WindowsXP -fullscreen
"D:\My Virtual Machines\Widnows_XP\winxppro.vmx"

 上のコマンドの最後に指定した引数が,起動する仮想マシンのファイル名である。フル・パスを指定する。

 上記のような内容のバッチ・ファイルを作り,これをWindows XPのスタートアップ・フォルダに格納すれば,PC起動時(正確にはホストOSへのログオン後)に,自動的にゲストOSが起動される。PCに不慣れなユーザーでも,Pauseキーを押すだけでホストOSとゲストOSを切り替えられ,仮想マシンを意識することなくセキュアな環境でPCを使用できる。

 ちなみにこの機能は,日本のユーザーの要望によって追加された機能だ。このように,VMware製品には日本のユーザーの声が多数反映されている。

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