仮想マシン(VM)技術を使うと,運用の柔軟性は向上するが,パフォーマンスは実マシンを使うよりも劣る。将来的には新しいプロセッサが登場することで,仮想マシンのパフォーマンスが向上するかもしれないが,そうなるのはまだ先のことである。そこで今回は,当面の間は役に立ちそうな,マイクロソフトとVMwareの仮想マシン・ソフトのパフォーマンスを改善させる10個のヒントを紹介する。

10:ツールをきちんとインストールする

 仮想マシン・ソフトに付属するツールは,きちんと漏らさずインストールしよう。製品付属のツールを適切に使用すると,SVGAビデオ・ドライバが最適化され,ゲストOSのビデオ・パフォーマンスとマウスの反応が向上する。

9:ディスクに適切な空き容量を確保する

 各仮想マシンには4Gバイト~50Gバイト以上の記憶領域が必要となる。十分な容量を設定していたとしても,ディスクの空き容量が少ないと,パフォーマンスは極端に下がる。仮想ハードディスク・イメージのあるドライブには最低20%の空き容量が必要だ。

8:ゲストOSの視覚効果を無効にする

 ゲストOSの視覚効果はプロセッサとメモリーのリソースを消費する。Windows XPの不要な視覚効果を無効にするには,ゲストOSのデスクトップを右クリックし,[プロパティ]−[デザイン]−[効果]を選択し,[次のアニメーション効果をメニューとヒントに使用する]チェック・ボックスからチェックを外す。

7:仮想ハードディスクを事前に割り当てる

 ほとんどの仮想マシン製品において,仮想ハードディスクの容量は必要に応じて動的に拡張するようにデフォルトで設定されている。動的な拡張を設定することによって,ディスク容量は節約できるが,ゲストOSのパフォーマンスは低下する。パフォーマンス低下を防ぐには,仮想ハードディスクを作成する際に,必要な容量を割り当てるオプションを選択する。

6:「ハードディスクへのリンク」または「RAWディスク」機能を使用する

 「ハードディスクへのリンク」(マイクロソフト製品の場合)または「RAWディスク」(VMwareの場合)という機能を使うと,仮想マシンが物理ディスクに対して直接読み込みや書き込みを行うようになるので,他の仮想ディスクの読み込みや書き込みによるオーバーヘッドを回避できる。この機能を使うと,ディスクのパフォーマンスが重要なアプリケーションを高速化できる。

5:[全画面表示モード]を使用する

 仮想マシンをウインドウ表示モードではなく全画面表示モードで実行すると,ホスト・マシンのビデオI/O処理を実行する必要がなくなるため,パフォーマンスが約10%向上する。

4:仮想ハードディスクにそれ専用の物理ドライブを割り当てる

 ホストOSがインストールされているのとは別の物理ドライブに仮想マシンの仮想ハードディスクを作成すると,ドライブ・スピンドルの競合が無くなり,仮想マシンのパフォーマンスが向上する。複数の仮想マシンを稼働させている場合は,各仮想マシンの仮想ハードディスクをそれぞれ別の物理ドライブに配置するとよい。

3:仮想マシンが使用するハードディスクをデフラグする

 ディスクの断片化はゲストOSとホストOSの両方で発生するため,仮想マシンのディスクのデフラグは複数の階層にわたるプロセスとなる。まず,ゲストOSのドライブをデフラグする(VMware製品のあるバージョンでは,仮想ハードディスクをデフラグする必要があるものもある。その場合は仮想マシンをシャットダウンしてから行う)。次に,ホストOSの物理ドライブを最適化する。

2:高速なハードディスクを使用する

 仮想マシンのパフォーマンスにとってハードディスクの速度は重要である。ドライブが高速であれば,仮想マシンのパフォーマンスも向上する。ノート・パソコンでは最低でも毎分5400回転のディスク,デスクトップ・パソコンでは毎分7200回転以上の高速なディスクを使用する。サーバー統合の場合は,毎分1万回転以上の高速なディスクが必要だ。

1:メモリーを最大化する

 物理メモリーの容量は,仮想マシンのパフォーマンスの最大のボトルネックになりうる。適切なメモリーをゲストOSに割り当てるべきだ。ワークステーションでは最低128Mバイト,サーバーでは最低256Mバイトである。一度に1つの仮想マシンしか実行しない場合,ホストのメモリーの半分を割り当てるようにしたい。仮想マシンは物理メモリーしか使用できないので,十分な物理メモリーをマシンに搭載しておこう。最近の仮想マシン製品はすべて,仮想マシンごとに3.6Gバイトのメモリーを割り当てられる。ホストのメモリーはなるべく多くしておこう。

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