大震災後、データセンターの選定基準が変わった。停電対策、地震対策、広域分散、防犯に分けて、最新センターの“すごい”設備・サービスを紹介する。

 仙台市内に本社を置く今野印刷は2011年夏、自社オフィスに設置していたメールとWebサイトのサーバーを外部のデータセンターに移した。東日本大震災に見舞われたとき、それらのサーバーが使えなくなった教訓を踏まえた処置で、「コストだけでなく停電対策、地震対策、広域分散を考慮に入れてデータセンターを選んだ」(取締役 ネット事業部 本部長 木村真氏)。

 コスト以外の要素も重視したことは、選んだデータセンターの所在地にも表れている。本社がある仙台から遠く離れた、関西のデータセンターを選んだのだ。「万が一また仙台の本社が大地震に見舞われても、関西にあるデータセンターであればほとんど影響を受けないので、停電対策と地震対策につながる」(木村氏)。その上で、本社に待機系サーバーを配置し関西と仙台にまたがる広域分散システムを構築した。

 今野印刷の事例に象徴されるように、震災を境にして、利用企業がデータセンターに求めるニーズが変化しつつある。日本データセンター協会の福田次郎氏(事務局)は、「データセンターの利用目的はこれまでコスト削減が主だったが、最近はリスク低減を重視する傾向がみられる」と証言する。

 国内の主要なデータセンター事業者15社に取材したところ、今野印刷が重視した「停電対策」「地震対策」「広域分散」に「防犯」を加えた、四つの観点で設備・サービスを拡充している(図1)。このうち防犯は、産業スパイやセキュリティ攻撃の事件が増えていることが背景にある。

図1●最近、データセンターが強化している設備・サービス
停電対策、地震対策、広域分散、防犯の大きく四つの項目がある
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 以下で、停電対策、地震対策、広域分散、防犯に分けて、それぞれのニーズに応える最新のデータセンターの設備・サービスを紹介する。データセンターの選定やその支援を行う際に参考にしてほしい。

 なお、米Salesforce.comと米Amazon Web Servicesが相次いで日本国内に開設したデータセンターについても別掲記事で取り上げる。

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