開発No.031 自己完結 水素インフラ 水素活用技術の第一人者とビジネスを推進 持続可能な枠組みを考案し、市場に展開を目指す

 現代生活の根幹インフラである電気エネルギー。現在は巨大な電力会社が中央集権的に電気を分配する形態だが、今後は地域で発電し、そこで消費する地産地消の時代に向かう。そこで、リアル開発会議ではこの時代を見据えて、水素を活用したエネルギー地産地消ビジネスを推進するプロジェクト「自己完結水素インフラ」への参加企業を募集する。我々が、エネルギーが地産地消に進むと考えるのは、次のような理由からだ。

 まず、国内において、電力系統への再生可能エネルギーの受け入れが限界に達しつつあること。2018年10月と11月に九州電力が再生可能エネルギーの受け入れを一時的に減らす「出力抑制」を実施したことは、その象徴だ。つまり、再生エネルギーを作っても、自分で消費する以外に出口がなくなる。

 一方で、再生可能エネルギーの活用は増える。地球温暖化による気候変動が顕在化し、世界的に再生可能エネルギーの利用が推進されているからだ。環境重視のこのトレンドに反して二酸化炭素を排出し続けることは難しいだろう。

 日本国内では、少子高齢化によって電力消費量が減り電力会社の収入が絞られてくる中で、過疎地域が広がる。いずれ、電力会社は津々浦々に張り巡らした送電インフラを維持できなくなる。これも電力の地産地消を促す。

水素でエネルギーを蓄積

 再生可能エネルギーを地産地消することを考えたとき、解決しなければならない課題はエネルギー需給調整だ。再生可能エネルギーは日照時間や風量など、自然の状態に応じて発電量が変わり、発電量と消費量が一致しない。そこで、発電量が需要よりも多いときには、何らかの形でエネルギーを貯め、発電量が需要に満たない場合には、このエネルギーを開放する必要がある。

 今回のプロジェクトでは、このエネルギー蓄積媒体として水素を選んだ。水素を得るには、水というどこにでもある物質を電気分解すればよく、利用時も水になるだけで環境を汚さない。水素の貯蔵方法として、安全性や可搬性で優れる水素吸蔵合金を利用する。実は、水素吸蔵合金の容積当たりのエネルギー密度は、Liイオン2次電池よりも高い。

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技術ではなくビジネスを開発

 本プロジェクトには、水素を活用した地産地消システムの第一人者である、東北大学金属材料研究所 産学連携先端材料研究開発センター 特任教授の河野龍興氏が参加する。同氏は、ハウステンボスにある「変なホテル」の完全自立型の水素エネルギーシステムや宮城県富谷市の水素吸蔵合金を使った地域エネルギー循環システムなどを手掛けてきた。

 今回のプロジェクトを進めるための技術は既にそろっている。太陽光パネルや水電解水素製造装置、水素貯蔵合金タンク、燃料電池などだ。そのため、製品開発に重点を置かず、これらの技術を組み合わせ、持続可能なビジネスに仕立てることを目標とする。

 河野氏とともに、水素を使ったエネルギー地産地消ビジネスをつくり上げたい企業や団体はぜひ説明会に参加してほしい。実証実験の場を提供したい地方自治体も対象だ。

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