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PX(Patient Experience)とは

2018/09/03 10:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 医療サービスを通じて患者が経験する事象のこと。患者経験価値ともいう。

 PXは、民間企業で既に取り入れられているCX(Customer Experience)を医療現場に持ち込んだものである。CXは、商品やサービスを購入してから使用後のサポートに至るまでのプロセスに対して、顧客がどういう価値を感じたのかを評価する指標である。日本でも多くの企業がマーケティング戦略の一つとして用いている。これを企業ではなく医療現場に導入し、医療機関の顧客に相当する患者の経験を評価する指標がPXである。

 英国や米国では、PXをいち早く医療現場に導入している。現在、両国では政府主導でPXサーベイ(患者経験価値調査)が実施されており、PXが医療機関の評価尺度の一つとなっている。

 日本でもPXの考え方を取り入れる機運が高まっている。2018年2月には、一般社団法人 日本ペイシェント・エクスペリエンス研究会(PX研究会)が発足した。2016年5月に発足したPX研究会が法人化した格好だ。患者を主人公とした医療の実現に向けてPX向上や研究活動に取り組んでいる。

 従来、多くの医療機関では、医療サービスの質を測る指標としてPS(Patient Satisfaction)を用いてきた。PSを使った調査では、医療サービスを受けた患者が結果的に満足したかを評価する。例えば、「看護師の対応はどうでしたか?」と患者に尋ね、「とても満足した」「満足した」「満足しなかった」という軸で評価してもらう。この調査では、客観的な評価基準がないため患者の気分や価値観に左右されやすい。さらに、どのサービスに対して満足したのかが分からず、具体的な改善策を見出すことが難しい。

 一方、PXに関する調査では、プロセスについて具体的に質問するため、医療サービスの実態を把握しやすい。例えば、「ナースコールを鳴らしてから看護師が来るまで何分待ちましたか?」と患者に質問し、「すぐに」「5分以内」「対応してもらえなかった」「ナースコールを使用していない」などの選択肢から答えてもらう。これによって客観的に患者のニーズに合った医療サービスが提供できているかを評価できるというわけだ。

 PXの考え方を医療現場に導入すると、患者自身が考えるゴールを重視するため、患者が自らの価値を反映した医療サービスを受けることができると期待される。医療機関がPXを向上させるためには、病気の根治だけではなく退院後のQOLを高めることも重要になる。

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