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2018/08/06 08:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 看護師が抱える臨床現場の困りごとを解決するために、看護師と工学分野のものづくり企業が連携して製品開発などを行うこと。医療現場全般のニーズに工学分野のシーズで応える医工連携の中でも、とりわけ看護領域に着目した連携を指す。

 東京都大田区では、2017年10月から「看工連携プロジェクト」を進めている。大田区産業振興協会が東京北医療センターと東京工科大学、富士通、大田区内の12企業と連携して行うプロジェクトである。

大田区の「看工連携プロジェクト」で開発した「誤嚥防止用噛むストロー」(提供:大田区産業振興協会)
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 大田区ではかねて、区内にある医療機関のニーズと企業のシーズを結びつけるために医工連携を推進する事業を展開してきた。新たに看工連携の取り組みを始めたのは、「より早期に製品化できるものに焦点を絞りたいという狙いがあった」と大田区産業振興協会 次世代産業創造コーディネーターの吉田孝次氏は話す。医工連携の中でも薬機法の認証を取得する必要がある医療機器の開発は、製品を市場投入するまでに時間がかかってしまうことが課題になっていたのだ。

 そこで着目したのが、看護領域のニーズだった。看護師が業務中に使用する器具に関しては、「薬機法の認証を必要としないものも多いから」と大田区産業振興協会 ものづくり・イノベーション推進課長(医工連携担当室長兼務)池田真司氏は説明する。看護師が持つニーズの中でも、薬機法の認証を必要としない「雑品」に着目しようと考えた。

 今回のプロジェクトでは、東京北医療センターの病棟看護師にニーズを複数挙げてもらい、ワークショップを通してものづくり企業がアイデアを出し合って議論を重ねた。困りごととしては、横になった状態で水を飲ませられる「吸い飲み」を使うと患者がむせてしまう場合があることや、氷枕の氷を入れ替える手間があること、ナースコールのケーブルにつまずいて転んでしまうことなどが挙げられた。

ストローの一部がポンプになっている(提供:大田区産業振興協会)
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ポンプの先から水がシャワーのように出る仕組み(提供:大田区産業振興協会)
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 これを基に試作品の製作に至ったのが、吸い飲みに代わる「誤嚥防止用噛むストロー」である。ストローの一部がポンプになっており、ポンプを噛むことでシャワーのように水が口の中に広がる仕組みだ。誤嚥防止用噛むストローは「国際モダンホスピタルショウ2018」(2018年7月11~13日、東京ビッグサイト)で「第11回みんなのアイデアde賞」準グランプリを受賞した。現在はマウスピース型に改良した「メディカルストロー」として製品化に向けた開発を進めている。

「国際モダンホスピタルショウ2018」に展示したポスター(提供:大田区産業振興協会)
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「第11回みんなのアイデアde賞」準グランプリのトロフィー(提供:大田区産業振興協会)
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製品化を進めているマウスピース型の「メディカルストロー」(提供:大田区産業振興協会)
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