2016/03/05 00:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 「ホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy)」と呼ばれる、新しいタイプの放射線治療を指す。再発がんや周囲に浸潤した進行がんなどに対する、有効な治療法になる可能性がある。従来は研究機関での臨床研究にとどまってきたが、ここにきて民間医療機関での臨床試験(治験)が始まった。X線治療、粒子線治療に続く「第3の放射線治療」としての期待が高まっている。

BNCTの第II相治験を始めた南東北BNCT研究センター
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 BNCTでは、ホウ素を含んだ専用薬剤(BNCT用ホウ素薬剤)をがん患者に投与し、がん細胞にホウ素原子を選択的に取り込ませる。そのうえで、低エネルギーの中性子を患部に照射すると、ホウ素原子が中性子を捕捉し、α粒子(ヘリウム原子核)とリチウム原子核に分裂する。これらの粒子はがん細胞1個分ほどの距離しか飛ばないため、正常細胞にはほぼダメージを与えることなく、がん細胞だけを選択的に破壊できる。

 治療は基本的に1回で済み、患者を治療台の上に寝かせた姿勢で30分~1時間で終わる。患者に優しい“究極のがん治療”とされるゆえんがここにある。

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