2019/01/15 14:30
増田 克善=日経デジタルヘルス

 人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組み「アドバンス・ケア・プランニング(ACP)」の愛称。厚生労働省の「ACP愛称選定委員会」で公募・選定し、2018年11月30日に公表された。

 病気やケガなどにより命の危険が迫った状態になると、約7割の人が医療・ケアなどに関しての意思決定判断が困難になり、自分の望みを人に伝えることができなくなるとされる。そこで、あらかじめ人生の最終段階における医療・ケアのあり方などについて、本人や家族、医療者などが十分話し合っておく自発的なプロセスがACPである。

(写真:Taka / PIXTA)

 ACPの目標は、重篤な疾患および慢性疾患において、患者の価値や目標、選好などを実際に受ける医療に反映させることにある。ACPの話し合いには、患者本人の気がかりや意向、患者の価値観や目標、病状や予後の理解、 治療や療養に関する意向およびその提供体制などが含まれる。また、ACPは患者、信頼できる周囲の人々、医療従事者とともに行われることが望ましく、患者の健康状態・病状や生活状況が変わるごとに、繰り返し行われるべきとされている。

 厚生労働省では、人生の最終段階を迎えた本人や家族などと医療・ケアチームが、最善の医療・ケアを作り上げるための合意形成のプロセスを示すものとして、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(改訂版)を2018年3月に策定している。地域包括ケアシステムへの対応や、英米諸国を中心としてACPの概念を踏まえた研究・取り組みが普及してきていることなどを踏まえ、「終末期医療の決定プロセスに関するガイドライン」(2007年策定)を改定した。

 同ガイドラインでは、人生の最終段階における医療・ケアのあり方として、医療・ケア行為の開始・不開始、医療・ケア内容の変更、医療・ケア行為の中止などは、医学的妥当性と適切性を基に慎重に判断すべきであるとしている。また、疼痛(とうつう)や不快な症状を十分に緩和し、本人・家族などの精神的・社会的な援助も含めた総合的な医療・ケアを行うことが必要だと説いている。