どうやったらスイッチング電源を上手に作れるのでしょうか? 料理でも食材の選び方、火加減や味付けなど、ちょっとしたコツをつかむだけでグッと美味しい料理に仕上げることができるようになります。同じように、スイッチング電源も、その回路方式や使用する部品の特徴をしっかり把握するだけで、全く違うものに仕上げることができます。例えば、「プレーナトランスのストレ容量はどのように計算するのでしょうか?」「磁気部品の鉄損と銅損の最適なバランスは?」など、まずは、スイッチング電源に利用されているMOSFET、ダイオード、インダクター、トランスなどの理想的ではない振る舞いをやさしく分かりやすく解説し、各部品から生じる電力損失について解析式を用いて明らかにします。

次に、スイッチング電源の高効率化、小型化を実現するための様々な手法を解説していきます。ここでは、スイッチング損失を低減するためのソフトスイッチング技術(ZVS、ZCSスイッチング)についても説明し、これらを実現するための設計指針も示します。さらに、大分大学において研究している新しいスイッチング電源の小型高効率化技術を紹介いたします(プログラムの※印)。

セミナーの合間では、「i-ELOOP」「S-エネチャージ」「48Vマイルドハイブリッドシステム」「日産リーフの車載充電器」などの自動車用電源システムや、現在注目を集めている超小型電源やGaNデバイスを使った電源など、電子機器に用いられている電源の仕組みや工夫について、学会で発表された情報や電源技術者の知見を交えながら簡単に解説します。

この講座は、群馬大学 大学院 理工学府(電子情報部門)の小林春夫教授の監修のもと、アナログ回路設計の再入門講座として、デバイス、モデリング、回路、レイアウトからシステム、測定までをテーマにした一連の講座群のひとつです。本講座だけでなく関連のある講座を受講することで一層、理解が深まります。

【受講効果】

  • スイッチング電源を上手に作るためのコツをつかめます。
  • 回路素子の理想的でない振る舞いと電力損失の関係を明確に理解できます。
  • 高効率化・小型化のための様々なノウハウを学べます。
  • スイッチング電源、および自動車など応用先のトレンドを知ることができます。

講師紹介

西嶋 仁浩 氏 (にしじま きみひろ)

大分大学 工学部 電気電子工学科
助教

2002年3月に崇城大学大学院工学研究科博士後期課程エネルギーエレクトロニクス専攻を修了し、崇城大学嘱託教務職員を経て、2003年4月より大分大学の助手、2007年より助教、現在に至る。スイッチング電源回路の小型高効率化、バッテリー電圧の均等化回路の研究に従事し、複数の企業との共同研究を行っている。博士(工学)。
『電子情報通信学会 電子通信エネルギー技術(EE)研究専門委員会 委員』『電気学会 自動車用電源システムとその活用調査専門委員会 委員』『日本学術振興会 次世代のスイッチング電源システム第173委員会 幹事』

概要

日時: 2016年12月20日(火)10:00~17:00(開場09:30予定)
会場: 化学会館 7F(東京・御茶ノ水)
主催: 日経エレクトロニクス

受講料(税込み)

  • 一般価格:54,000円
  • 読者価格:43,200円
■一般価格
一般価格には「日経エレクトロニクス購読(最新号より13冊)」、「日経ものづくり購読(最新号より13冊)」、「日経Automotive購読(最新号より10冊)」のいずれかお選びの雑誌(いずれも月刊)が含まれます。 ご送本開始は開催後になります。
■読者価格
「日経エレクトロニクス」「日経ものづくり」「日経Automotive」定期購読者(いずれも「日経テクノロジーオンライン有料会員セット」での購読を含む)、「日経テクノロジーオンライン」有料年間購読者は、「読者価格」でお申し込みいただけます。
  • ※受講料には、昼食は含まれておりません。
  • ※一般価格に含む雑誌購読を登録させていただく方には、各誌が配信している無料メルマガ(日経エレクトロニクスニュース、日経ものづくりNEWS、日経Automotive NEWSのいずれか)を配信設定いたします。
  • ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。

プログラム詳細

10:00 - 17:00

1.電源部品における損失を解析式により明らかに!

 1.1 降圧形コンバーターの基本動作
 1.2 ダイオード(順方向損、リカバリー損)
 1.3 同期整流方式
 1.4 MOSFET(オン抵抗損、ターンオン/ターンオフ損、ドライブ損)
 1.5 インダクター、トランス
  (ヒステリシス損、渦電流損、巻線の銅損、鉄損と銅損の最適比率、表皮効果、近接効果、ストレ容量)

2.非絶縁型コンバーターの高効率・小型化技術

 2.1 マルチフェーズ(多相)化
 2.2 カップルドインダクター方式
 2.3 コンデンサー分圧方式マルチフェーズコンバーター※
~降圧比4 倍、FETの電圧ストレスが4分の1になる次世代CPU用電源
 2.4 臨界モードによるゼロ電圧スイッチング(ZVS)
 2.5磁気結合方式ZVS補助回路※
~効率98%を実現する48Vマイルドハイブリッドカー用電源

3.発電するクルマに用いられている電源システムの工夫

 3.1 12V系リチウムイオンバッテリーを用いたマイルドハイブリッドシステム
 3.2 電気2重層キャパシタを用いた減速回生システム
 3.3 48Vマイルドハイブリッドシステム
 3.4 自動車用電源の放熱技術(両面冷却,バスバーを介した放熱)

4.絶縁形コンバーターの高効率・小型化技術

 4.1フルブリッジコンバーターの基本動作
 4.2 トランスの励磁インダクタンスや漏れインダクタンスを用いたZVS
 4.3 電気自動車の車載充電器に用いられている技術
 4.3 カレントダブラ方式
 4.4 カレントダブラがトランスとしても機能するハーフブリッジコンバーター※

5.電流共振形コンバーター

 5.1 LLCコンバーターの基本動作
 5.2 ゼロ電流スイッチング(ZCS)
 5.3 共振周波数とスイッチング周波数との関係
 5.4 多出力非制御電流共振コンバーターと臨界モードZVS力率改善回路
~たこ足配線が可能で小型安価なDCコンセント※
 5.5 MOSFETの多段化による高周波化
 5.6複合コンバーターを用いた自動車用オンボードチャージャー※

6.その他の高効率・小型化技術

 6.1 数十MHzで周波数制御可能なGaNデバイスの低損失ゲートドライブ回路
~可変容量コンデンサーを用いた回生形正弦波ゲートドライブ回路※
 6.2 高降圧比小型コンバーター(タップドインダクター方式)※
 6.3 ACアダプタの高効率・小型化技術※

  • ※途中、昼休憩と午後の小休憩が入ります。
  • ※講演時刻等、随時更新いたします。また、プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承願います。
■受講料のお支払い:
お支払い方法が「請求書」の方には、後日、受講券・請求書をご郵送いたします。
ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますので、あらかじめご了承ください。
「クレジットカード支払」の方には、受講券のみをお送りいたします。
■お申し込み後のキャンセルおよび欠席など:
お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。講師等の急病、天災その他の不可抗力、その他やむを得ない事情により、中止する場合があります。この場合、受講料は返金いたします。
■最少開催人員:
15名。参加申込人数が最少開催人員に達しない場合は、開催を中止させていただくことがあります。