
「品質完璧マスターシリーズ」は、大手であるトヨタグループ企業の中でも、優秀と評価される技術者が習得している品質手法を学ぶ講座です。講義だけではなく、充実した演習を通じて実践力を身に付けます。2018年度は半期ごとに分けて2シリーズを開催。両シリーズをまとめて申し込むことも、シリーズごとに申し込むことも、個々の講座を受講することもできます。本講座「品質トラブルを未然に防ぐ切り札 トヨタが推奨する「DRBFM」」は、シーズン1の第5回目の講座となります。
品質トラブルを未然に防ぐための代表的な手法として、FMEA(Failure Mode and Effect Analysis:故障モード影響解析)が知られています。しかし、FMEAの作成には多くの工数を要するものの、本来の目的であるトラブルを完璧に防ぐ効果を得ることが難しいという指摘があります。こうした状況を踏まえ、FMEAを真に効果的な手段とするために工夫された「DRBFM(Design Review Based on Failure Mode)」を学習します。
DRBFMは、トヨタ自動車およびトヨタグループで活用されている手法で、設計の変更点にポイントを絞って、故障モードの影響を徹底的に調べるものです。デザインレビューにおいて設計の意図、品質の心配点を確認し、どのように対策するかを定量的な数値を使って明確化し、対策の実効性を評価することで、トラブルの未然防止を図ります。
本講座を受講することにより、FMEAの帳票作成を目的とするのではなく、関係者全員が品質トラブル未然防止のためにどのように知恵を出していくべきかが分かります。また、そうしたノウハウを有効に活用するための、仕事の進め方の改革を目指します。
具体的には、設計段階のDRBFMの詳細な手法や勘所をまず解説した後、演習しながらDRBFMの進め方を体得します。特に、FMEAを作成したが品質問題を起こしてしまった方、FMEAでは品質問題は防げないと思われている方にもお勧めします。
受講効果
- トヨタグループが推奨するDRBFMの具体的な進め方の基本が学べます。
- 事例演習をグループで体験することにより、DRBFMのより実践的なノウハウを取得できます。
- 設計者のみならず、品質に関わるすべての方に対し、品質トラブルの未然防止に対する取組方法の幅が広がります。
講師紹介
皆川 一二 氏 (みながわ かずじ)
元デンソー、ワールドテック 講師
元愛知工業大学 工学部 機械学科 非常勤講師、小松開発工業顧問
1966年に日本電装(現 デンソー)入社。トヨタ2000GTをはじめ、多くの燃料噴射装置や電子制御式燃料噴射装置(EFI)の開発設計に従事。EFI用コンポーネント、インジェクタ、エアフローメーター、燃料ポンプなどの開発設計も担当。車載システムと製品の開発設計で豊富な経験がある。2003年、デンソーテクノ 電子制御式ガソリン噴射製品設計部長。その後、デンソー テクノ品質管理部で品質教育企画および社内品質教育講師、トヨタグループ SQCアドバイザを歴任。ワールドテックでの品質教育講師として、現在に至る。
概要
日時: | 2018年9月19日(水)10:00~17:00(開場9:30予定) |
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会場: | Learning Square新橋 (東京・新橋) |
主催: | 日経ものづくり |
受講料(税込み)
- 一般価格:49,800円
- 読者・会員価格:43,200円
- ■読者・会員価格
- 「読者・会員価格」は、日経エレクトロニクス、日経ものづくり、日経Automotive各誌の定期購読者の方(日経 xTECHとのセットを含む)あるいは、旧・日経テクノロジーオンライン年払い有料会員(675から始まる読者番号)が対象です。なお、対象が変更となる場合があります。
- ※受講料には、昼食は含まれておりません。
- ※満席になり次第、申込受付を締め切らせていただきますので、お早めにお申し込みください。
プログラム詳細
10:00 - 17:00
【講義】
「未然防止の手段としてのDRBFM」(映写のみ30分程度)
――未然防止とは、および未然防止におけるDRBFMの役割
【DRBFM手法詳説と演習】
1. QC手法体系とDRBFM
――QC体系におけるDRBFMの位置付け、およびFTAとの比較
2. 設計FMEAの課題
――帳票を単に埋めるだけでは、効果が期待できない理由
3. 設計DRBFMを、詳説と演習で習得する
(1)DRBFMの対象
(2)DRBFM実施前に確認すべきこと
・実施メンバー
・実施時期
・使用帳票
(3)詳細理解
――身近な製品を取り上げ、解説と演習を組み合わせる
(i)詳細実施手順
(ii)実施手順ごとの詳説と演習
事前準備
・ポイント――抜け防止シート
――変更点・変化点表
機能展開から部品と機能の関係を明らかにする
・機能展開
・ポイント――機能の種類
――機能&変化点の関係図
懸念点(故障モードと故障原因)を明らかにする
・DRの実施
・ポイント――抜け防止キーワード集
影響度を明らかにする
・DRの実施
・ポイント――影響度の判定基準の考え方と例
設計の考え方と処置
・DRの実施
・ポイント――発生度、検出度、
重要度などの規準の考え方と例
(4)DRBFMにおけるDRとは
・狙い
・実施タイミング
・事前準備
・実施で気をつける点
・DRBFMの結果の横展開
【DRBFMの勘所まとめ】
- ※途中、昼休憩と午後の小休憩が入ります。
- ※講演時刻等、随時更新いたします。また、プログラムは変更になる場合があります。あらかじめご了承願います。
- ■受講料のお支払い
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お支払い方法が「請求書」の方には、後日、受講券・請求書を郵送いたします。
ご入金は銀行振込でお願いいたします。なお、振込手数料はお客様のご負担となりますので、あらかじめご了承ください。
クレジットカード支払いの方は、受講証はMyPageから印刷してご持参ください。 - ■お申し込み後のキャンセルおよび欠席など
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お申し込み後のキャンセル、ご送金後の返金はお受けいたしかねます。代理の方が出席くださいますようお願いいたします。
会場までの交通費や宿泊費は、受講される方のご負担となります。講師等の急病、天災その他の不可抗力、その他やむを得ない事情により、中止する場合があります。この場合、受講料は返金いたします。 - ■最少開催人員
- 15名。参加申込人数が最少開催人員に達しない場合は、開催を中止させていただくことがあります。