ハウステンボス、「変なホテル」にペロブスカイト太陽電池を導入

2018/12/29 15:12
工藤宗介=技術ライター
「変なホテル」に設置したペロブスカイト太陽電池
(出所:ハウステンボス)
クリックすると拡大した画像が開きます

 ハウステンボス(長崎県佐世保市)は、次世代型として注目されるペロブスカイト太陽電池をホテルに導入した。宿泊施設「変なホテル ハウステンボス」を増床し、12月21日に第3期棟「サウスアーム」を開設したのを機に同棟に採用し、自家消費する。

 ポーランドSaule Technologiesが開発したフィルム型のペロブスカイト太陽電池で、他社の類似製品と比較してフィルムの透明度が高いのが特徴。同電池72枚を透明素材の壁に挟み込んで敷地内に設置した。出力15Wで、サウスアームの看板照明の電源に用いる。

 将来的には、同電池を施設全体に採用を拡大するほか、植物性由来の蓄電池を導入して、客室にも電源を供給する。サウスアームは和室がコンセプトの木造・地上2階建て。客室数は56室(スーベリアタイプ29.39m2が38室、デラックスタイプ34.43m2が18室)。

 「変なホテル」は、生産性の向上を目指しロボットによる接客などを導入した次世代型のスマートホテル。ハウステンボスでは、2016年7月に1期棟「ウエストアーム」(72室)、2016年3月に2期棟「イーストアーム」(72室)が開業している。

 ハウステンボスは、近隣の自社所有地にメガソーラー(大規模太陽光発電所)を運営するほか、「変なホテル」の屋根上に出力250kWの太陽光を設置・売電している。同ホテルには、62kWの屋根上太陽光と水素ストレージを組みわせ、12部屋の電力需要を100%賄う自立型システムも導入している。テーマパーク内や直営ホテルに設置した太陽光パネルや近隣のメガソーラーを合わせると、ハウステンボスが運営している太陽光の容量は合計で4MWを超える規模になる(関連記事:ハウステンボスの「エネルギー戦略」、次の一手)。

 「ペロブスカイト太陽電池」は、ハライド系有機・無機ペロブスカイト半導体を光吸収材料に採用した太陽光発電素子で、2009年に初めて太陽電池材料として報告されて以来、急速に変換効率が向上し、次世代太陽電池として世界中で注目されている。基板やフィルムに塗布して作製できるため、印刷技術で量産することで、従来の太陽電池に比べて製造コストが大幅に下がる可能性を秘めている(関連記事:世界最大のフィルム型ペロブスカイト太陽電池、東芝とNEDOが開発)。