再生可能エネルギー発電電力の固定価格買取制度(FIT)がはじまってから、6年目に入った2018年。「メガソーラービジネス」に公開した記事の閲覧数ランキングから、一年を振り返る。

 1位は、住宅地の近隣に設置されたメガソーラー(大規模太陽光発電所)に対して、健康を害するほどの居住環境の悪化を訴えられた裁判の顛末を解説した「メガソーラー・トラブルシューティング」の記事となった。

 この裁判では、原告は、太陽光パネルからの反射光で室温が上昇し、「熱中症になった」と主張したものの、その因果関係を必ずしも説得性を持って説明できなかったことなどもあり、最終的に和解にも至らず提訴を取り下げるという結果となった。

 太陽光の大量導入に伴い、住宅地など人の生活空間の近くや、人の目に付きやすい立地でのメガソーラーの開発も増えてきた。そうした中には、周辺地域から十分な理解を得られないまま計画を進めるケースもあり、反対運動が起きるケースも増えている。

 太陽光の導入が加速的に増えている中で、社会に適切に受け入れられ、主力電源に成長していくためには、周辺地域に理解される開発が求められている。

 また、太陽光発電所の設置場所、設計、施工、運営が不適切な場合、稼働から年を経るごとに、不適切な部分などにトラブルが生じやすくなる。さまざまなトラブルが全国の太陽光発電所で発生しており、関連する記事が上位に多く入った。

 クマやシカといった動物が侵入するという、不可抗力に近いトラブルもあるが、周辺地域との共存という意味では、周辺住民の安全・安心に配慮しつつ、対策を打つ必要があるだろう。

 2018年は、夏から秋にかけて、強い風雨を伴う台風が連続して日本列島を通過し、広い地域が被災した。こうした地域に立地する太陽光発電所では、台風による被災が相次いだ。

 こうしたトラブルの事例や対応の情報は、大規模な太陽光発電の歴史が浅いこともあって、業界内で共有されているとは言い難い。業界団体などが集積し、公開することが望まれる。

第1位:「メガソーラーの反射光で熱中症!?」、姫路訴訟のてん末

第4位:パワコンが「爆発」、埋めた木の腐食に起因?

第8位:吸排気口からツル性植物「クズ」が侵入、パワコン内で繁殖し、稼動停止

メガソーラー・トラブルシューティングの他の上位記事:

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雪の重みで太陽光の架台が倒壊、設計ミスが原因か(35位)
シカが侵入、太陽光パネル上に乗って破損(56位)
煙突からの灰が太陽光パネルを覆い、発電量を3割近くロスも(66位)
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点検時の歩行すら危険、斜面下ギリギリまで太陽光パネルを配置(131位)
接続箱や電線が炭のように丸焦げ、配管の未固定と地盤沈下で火災に(138位)

訴訟の舞台となったメガソーラー(上)、爆風で内側から吹き飛んだPCS(下)
(出所:上は日経BP、下はエネテク)