iPhone 7 Plus (2016年9月発売)
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 米Apple社が「iPhone」に有機ELディスプレーを採用するという報道が出てから、およそ1年が経過した。同社は現在、iPhoneの2017年モデルに有機ELディスプレーを搭載する方向で、様々な準備を進めているとみられる。

 筆者は昨年12月にiPhoneが有機ELディスプレーを採用する背景や課題について(関連記事1)、今年4月に設備投資動向などを中心にパネルメーカー側のシナリオについて(関連記事2)、それぞれ考察してきた。今回は、おぼろげながら見えてきた製品像を考察することで、iPhoneが有機ELを採用する理由に迫る。

フル画面端末の実現へ

 2017年のスマートフォン市場では、画面の3辺もしくは4辺の外枠(額縁)の幅を徹底的にスリム化した“フル画面端末”が大きなトレンドになりそうだ。フル画面端末は、筐体のほぼ全面を表示画面にすることで、例えばこれまで4.7型パネルを搭載していた筐体に、5.8型のパネルを搭載することができる。フル画面というコンセプトの採用により、デザイン性と実用性を同時に実現する。

 外枠の幅が極めて細い「フレームレス」と呼ばれる構造は、液晶パネルでも開発が進められている。2016年10月に中国Xiaomi社(小米科技)が、従来5.5型急のパネルを搭載していた筐体サイズに、3辺フリーの6.4型液晶パネルを搭載したスマートフォン「Xiaomi Mi MIX」を発表した。この端末には、シャープと台湾AU Optronics社(AUO)がフレームレスの低温多結晶Si(LTPS)TFT液晶パネルを供給しているとみられる。

 また、ジャパンディスプレイは2017年第2四半期ごろから、中国の端末メーカーなどに同様のディスプレー(同社は「FULL ACTIVEディスプレイ」と呼ぶ)を供給する計画である。

 一方、有機ELディスプレーでは、左右の側面を湾曲させて表示領域を広げた「デュアル エッジスクリーン」が、韓国Samsung Electronics社の端末を中心に採用されている。さらに、プラスチック基板を用いたフレキシブル有機ELディスプレーになると、配線の引き出しや引き回しの部分を折り返してしまうことで、外枠(額縁)の幅をほぼゼロにできる。

 Apple社がiPhoneに有機ELディスプレーを採用することによって、3辺もしくは4辺の額縁幅をほぼゼロにしたフル画面端末が登場すると期待される。

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