1. はじめに

 フレキシブル基板へのパターニング技術について、アジア最大級のディスプレー国際会議「IDW/AD '16」(2016年12月7日~9日、福岡国際会議場)で発表された講演を取り上げ、比較検討した内容を報告する。また、これらの講演に対する筆者の考えを示す。

2. 現在のフレキシブルディスプレー製造の課題

 現在、実用化あるいは開発中のフレキシブルディスプレー(大半は有機EL)はガラス基板上にポリイミド(PI)樹脂を塗布し、その上にデバイスを作製、レーザーを用いてガラス基板とPIを剥がす方法である。

 筆者は以前から、「フレキシブルデバイスの製造はロール・ツー・ロール(R2R)が基本である」と言い続けている。ガラス基板を用いた枚葉方式では、資源の有効利用や環境保全の観点からも好ましくない。

 しかも、この方法で製造されたフレキシブル有機ELは、市販されているスマートフォンを見る限り、「どこがフレキシブルか」と言いたい衝動に駆られる。このような製造プロセスの開発に技術者が日々携わっていると考えると、嘆かわしい。技術者が汗水流して開発した生産技術がR2Rプロセスに有用とは全く思えないからだ。経営者は反省すべきである。

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