「非化石証書」の発電所を特定、経産省がトラッキング実証

2018/12/21 13:35
工藤宗介=技術ライター
非化石証書トラッキングスキーム実証の概要
2018年10月時点の案(出所:経産省)
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 経済産業省は、2018年度から取引市場が創設され、入札(オークション)の始まった「非化石証書」に電源種や発電所所在地などのトラッキング情報を付与する実証実験を実施する。12月17日に発表した。

 小売電気事業者や発電事業者の参加を募り、2019年2月開催の入札に合わせて実施する予定。

 2018年度の入札で売却された非化石証書は、固定価格買取制度(FIT)で売電する電源の一部に由来する環境価値を証書化したとの位置づけのため、「再生可能エネルギー由来」としか表示できず、電源種や発電所所在地などは特定しなかった。このため特定の再エネ発電所までの特定を要件とする「RE100」では使えなかった。

 今回実証する「トラッキング付非化石証書」を活用した電気を調達した場合、特定の再エネ発電所と紐付けできるので、RE100の達成にも活用できる。

 実証実験では、トラッキング付非化石証書の購入を希望する小売電気事業者、トラッキング情報に紐付けられる発電所を所有する発電事業者の参加を求める。属性情報のダブルカウント防止、希望の属性情報が付与されなかったなどの不利益を防ぐため、入札実施前に小売電気事業者、発電事業者、実証実験事務局の間で調整する。

 2019年1月中旬~1月下旬に事業者説明会、1月下旬~2月上旬に正式な参加申込受付を行う。2月上旬~2月中旬に事前調整を行い、2月中旬~2月下旬に入札を実施する。非化石証書とトラッキング情報の紐付けは2月下旬~3月上旬になる予定。

 また、トラッキング情報付非化石証書の実証実験と並行し、日本ユニシスは「非化石証書の利用価値向上に係る調査事業」に取り組む。非化石証書に付与する属性情報を管理・追跡するためにどのような情報基盤や仕組み(トラッキングスキーム)が必要かなどを調査する。

 事業者へのヒアリングや実際に情報基盤システムを構築した上で、同システムの活用を希望する参加者(発電事業者や、小売電気事業者)を募ってトラッキングを試行する。トラッキングスキームについての方向性を示し、非化石市場の利用価値向上のための施策を検討して報告書としてまとめる計画。