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デンマークで「浸透圧発電」、東洋紡の浸透膜で実証開始

2018/12/18 20:16
工藤宗介=技術ライター
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中空糸型正浸透膜(FO膜)
(出所:東洋紡)
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浸透圧発電のパイロットプラント
(出所:東洋紡)
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浸透圧発電の仕組み
(出所:東洋紡)
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 東洋紡は12月17日、同社の中空糸型正浸透膜(FO膜)が、デンマークで9月から実証実験が行われている「浸透圧発電」のパイロットプラントに採用されたと発表した。2019年9月頃まで実証実験を行い、新たな再生可能エネルギーとして早期の実用化を目指す。

 「浸透圧発電」とは、地下から汲み上げた地熱水(塩水)と淡水の塩分濃度の差を利用して発電する。塩分を通さずに水を通す性質を持つFO膜を隔てて塩水と淡水を接触させ、浸透圧差で発生する水流を利用してタービンを回して発電する仕組み。

 パイロットプラントの事業主体は、デンマークのベンチャー企業SaltPower、産業機械メーカーDanfoss、エンジニアリング会社SEMCO Maritimeの3社による共同運営となる。出力は50kWで、発電量は一般家庭約50世帯分に相当する。太陽光や風力と比べて天候や昼夜に左右されず安定的に発電できるのが特徴。

 東洋紡のFO膜は、中空糸を円筒形の圧力容器に高密度に充填したもの。水が効率的に流れる内部構造となっており、発電用タービンを回すための水流を安定かつ少ないロスで発生させることが可能という。海水を淡水に変える逆浸透膜(RO膜)で培ってきた優れた耐圧性能などが評価され、今回の採用につながったとしている。

 実証プロジェクトの主体企業は、今後、2021年度までに東洋紡製の浸透膜を採用した1MW級の浸透圧発電プラントをデンマーク国内に建設するとともに、他の欧州地域にも同規模のプラントを導入する予定。

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