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「太陽光製造設備・5GWの復活を!」、欧州団体がキャンペーン

2018/12/11 11:14
大場 淳一=日経BP総研 クリーンテックラボ
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 欧州の太陽光発電業界団体であるSolarPower Europe(SPE)は12月5日、5GW以上の太陽電池セル(発電素子)や太陽光パネルの製造設備を欧州域内に新設することを支援する政策を求めるキャンペーンを開始したと発表した。

 SPEには欧州の太陽光発電産業のサプライチェーンを代表する部材や製品のメーカー、エネルギー事業者などが多数加盟している。

 そのうち今回のキャンペーンを支持している企業は、パワーコンディショナー(PCS)メーカーの独SMAソーラーテクノロジーやスイスABB、エネルギー事業者の伊Enelや仏Totalなど35社以上という。

 SPEのChristian Westermeiner代表は、「キャンペーンでは、太陽光の製造バリューチェーンの全セグメントを欧州に復活させる政策を求めている。域内の需要は近く年間15GWほどに達すると見込まれ、供給側の政策枠組みを策定するには最適なタイミングだ(関連記事1:「EUで太陽光設備の需要が前年比60%増、9.5GWに拡大」)。今後、シリコンウェハーから太陽電池セル、太陽光パネルまでを域内で製造することが望ましい」と述べている。

 欧州では、中国勢などによる低価格な太陽電池セルや太陽光パネルの輸入が急増した結果、域内主要メーカーの大半が経営破たんや廃業に追い込まれた(関連記事2:ドイツの太陽光パネル大手、ソーラーワールドが経営破たん)。

 欧州連合(EU)当局は、最低輸入価格(MIP)を策定するなどして低価格の輸入品から域内の太陽光産業を保護しようとしたが、輸入品の価格下落に追いつかなかった格好だ。

 その結果、EUはMIPなどの保護的な規制を2018年9月にすべて撤廃したという経緯があり、欧州への太陽光パネルの輸入が再び増加しつつあるという(関連記事3:「『太陽光の世界市場、2018年は停滞』、台湾の調査会社が予測」)。

 今回SPEが発表したキャンペーンを受けて、EU当局が太陽光発電に関連する製造業を域内で復活させることを目的とした政策を再び策定するのか、策定したとしてその内容がどのようなものになるのかが注目される。

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