CDPによる「非化石証書」の評価は?

 価格面では、「J-クレジット」を1kWhに換算した場合、過去3回の入札実績では1円以下(0.27~0.48円/kWh)、「グリーン電力証書」は、正式な公表データがないものの、大量に購入した場合、数円と見られている。非化石証書は、初回入札の最低・最高価格が、1.3円/kWh・4.0円/kWhのため、グリーン電力証書と同程度か安く、J-クレジットよりも高くなる可能性がある。

 とはいえ、非FIT・自家消費分の再エネから生み出される「グリーン電力証書」と「J-クレジット」の年間の発行量が数億から10数億kWhに留まっているのに対し、FITによる年間発電量が500億kWhを超える水準になっていることを考慮すると、電力小売サービスに本格的に「環境価値」を付与する手段として、来春以降、非化石証書が主流になっていく可能性が高い。

 一方、環境先進企業は、国際的なイニシアティブである「CDP」「RE100」など、民間ベースの再エネ利用の取り組みに参加する動きが活発化している。今後、こうした国際イニシアティブが、日本政府の「非化石証書」による環境価値(再エネ利用、CO2ゼロ)をどのように評価するのか、注目される(図6)。現在、国内のグリーン電力証書と再エネ由来のJ-クレジットは、CDPの再エネ調達量の報告欄に記入できることになっている。RE100については、グリーン電力証書は算定されるが、再エネ由来のJ-クレジットについては明確に認められておらず、今後の議論となっている。

図6●RE100会員企業の再エネ化比率を分野別で示したグラフ
緑色が再エネの消費量、青色が全電力消費量を示す(出所:RE100)
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 仮に非化石証書が、これら民間ベースの評価団体からも「再エネ利用」「CO2排出ゼロ」と評価されれば、環境経営に取り組む企業が、多少、電気料金単価が上っても、同証書付きの電力サービスを選択する可能性が出てくる。

 また、経産省の小委員会では、非化石電源のうち、旧一般電気事業者の持つ、大型水力や原子力など、非FIT電源の非化石価値の扱いに関しては、「今後の議論」として、積み残した形になっている。委員からは「原子力や大型水力など、かつて総括原価方式の下で建設した非化石電源の環境価値については、新電力とのイコールフィッティングの観点から、発電所の所有者に属するものではなく、電気と分離して取り引きし、売却益は旧一般電気事業者に入らない形にすべき」との意見もあった。

 ただ、東京電力エナジーパートナーは、すでに大型水力の環境価値を付加した電力メニューを開発し、販売しており、今後、議論を呼びそうだ。