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経産省、太陽光・未稼働案件への措置を修正、着工済み「特高」に配慮(page 3)

FIT制度への信頼感が揺らぎ、今後のファイナンスに影響も

2018/12/06 12:15
金子憲治=日経BP総研 クリーンテックラボ
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地方経済への影響も懸念

 加えて、10月15日公表された措置原案では、一度受領された着工申し込み書類の内容を変更した場合、買取価格が変更されることになっていた。このため、例えば、天候などの要因で連系工事が遅れた場合、買取価格が下がるリスクがあり、それがファイナンスに支障をきたしていた。12月5日に公表された修正内容では、「何らかの理由(工事の遅延など)で系統連系開始が間に合わなくなった場合でも、買取価格は変更されない」とした。

 今回の修正によって、特高案件に関しては、本格的に着工して太陽光パネルの設置が間近まで進んでいる場合は適用除外として買取価格と20年の買取期間が維持される可能性が高い。一方、土地契約を締結済み、または締結間近、かつ許認可を申請して取得もしくは取得間近となっている案件は、着工申し込み・受領期限に間に合えば、買取価格は維持される。ただ、その場合でも運転開始期限が設定されるので、買取期間が1~2年短縮する可能性もある。とはいえ、買取価格の減額に比べると事業性悪化の度合いは小さいため、従来のファイナンス条件やスキームが継続される可能性が高いと思われる。

 一方、転売目的に売電の権利(設備認定と接続契約)だけを保持し、本格的に許認可の申請・取得に取り組んでいないような案件、そして、こうした権利を購入したばかりでほとんど開発に未着手だったような案件は、着工申し込み期限に間に合わず、運転開始期限に加え、買取価格が21円/kWhまたは18円/kWhに下がることが多くなりそうだ。その場合、こうした条件でも事業性が成り立つか再検討に迫られ、難しければ開発を断念したり、購入した権利を転売する場合、損失を出して購入額より安く売却せざるを得なくなる。

 10月に公表された未稼働案件に対する措置の原案では、ファイナンススキームが確定し造成工事が進んでいる案件でも、一律に2月1日の着工申し込み提出期限を適用したため、金融機関が融資を停止するなど、影響が大きかった。当初、経産省は、「ファイナンスが確定している案件でも、低くなった買取価格を前提にコストを見直し、スキーム全体を練り直せば、プロジェクトの継続は可能なはず」との見解を示していた。

 ただ、買取価格40円・36円・32円/kWhを前提に用地を選定し、大規模な造成の必要な特高案件に関しては、買取価格が大幅に下がった場合、事実上、プロジェクトの継続は難しかった。そのため、こうした特高案件を多く持つ、国内大手企業や外資系企業、そしてファイナンスを提供する金融業界などが措置原案の見直しを要望していた(関連記事:太陽光「未稼働案件」の2GW超が断念?、制度変更でJPEAがアンケート)。

 今回、公表された修正は、JPEA(太陽光発電協会)と自民党再エネ議連の公表した要望項目をかなりの部分で受け入れた内容になった。経産省は、買取価格30円台までの未稼働案件の単価を下げたり、断念させることで国民負担の低減を目指したが、地方で開発の進んだ特高案件の多くが頓挫した場合、地域経済への影響が大きく、それを危惧する自民党議員の働きかけもあり、最終的に経産省が譲歩した形になった。

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